オデッセイってどんな車?
ホンダの「オデッセイ」は、1994年の初代登場以来、「低床・低重心・3列シート」という独自のパッケージングで、日本のミニバン市場に革命をもたらしてきた上級ミニバンです。一度は2021年末に国内生産を終了し、販売を休止しましたが、多くのファンからの復活を求める声に応える形で2023年12月に華やかな復帰を果たしました。
現在は中国の広汽ホンダで生産されたモデルを日本向けに輸入する形で販売されており、パワートレインはe:HEVハイブリッドのみ・駆動方式はFFのみのシンプルな構成です。2025年11月には一部改良が実施され、後席の快適性をさらに高める装備が充実しました。
現在の価格帯はメーカー希望小売価格で約508万円〜545万円。ステップワゴンより一段上の価格帯となりますが、「立体駐車場に入れながら、3列すべてを上質に使えるミニバン」という他にはない個性が、上質な移動空間を求めるファミリーを強く引き付けています。
ファミリーカーとしての魅力
①超低床プラットフォームで「立体駐車場に入れるミニバン」を実現
オデッセイ最大のアイデンティティは、ホンダ独自の超低床プラットフォームにあります。フロア下の部品を極限まで薄くすることで室内空間を確保しながら低重心化を果たし、全高1,695mmという数値を実現しています。
この全高1,695mmという数値は、ミニバンとしての快適な室内高を保ちながら、多くの立体駐車場の高さ制限(1,800mm程度)をクリアするという、他の大型ミニバンにはなかなかできない離れ業です。「3列シートのミニバンが欲しいけれど、マンションの立体駐車場に入らないと困る…」というご家庭にとって、オデッセイは救世主的な存在になります。
さらに低重心設計はセダンのような安定感ある走りにも貢献しており、コーナリング時の揺れが少なく、同乗者が疲れにくいのも嬉しいポイントです。
②3列すべてが「大人が快適に過ごせる」上質な空間
オデッセイの3列シートは、単に「乗れる」だけでなく、3列すべての乗員が快適に過ごせるよう設計されています。2列目シートは両側アームレスト付きの4ウェイパワーシート(リクライニング/オットマン機能付き)が標準装備されており、長時間のドライブでも飛行機のビジネスクラスのようにゆったりとくつろぐことができます。
2025年11月の一部改良では、2列目に大型ロールサンシェードが全グレードに標準装備されました。これまでユーザーから多くの要望があった装備で、強い日差しを遮ることができるため、特に小さなお子さまを後席に乗せているファミリーに大変喜ばれています。夏の帰省や長距離ドライブでの後席の快適性が飛躍的に向上しました。
2列目にはUSBチャージャー(Type-C対応)も標準装備されており、お子さまのタブレットやスマートフォンの充電もスムーズに行えます。
③Honda SENSINGが全車標準装備
ホンダの先進安全運転支援システム「Honda SENSING」が全グレードに標準装備されています。衝突軽減ブレーキ・歩行者検知・誤発進抑制・アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)・渋滞追従機能など、充実した機能で毎日の運転をサポートしてくれます。
また、Honda CONNECT対応の12.3インチディスプレーオーディオを通じて、スマートフォンアプリから離れた場所でも車両の状態を確認したり、乗車前にエアコンを作動させて車内を快適な温度にしておくことができます。真夏の炎天下でも、駐車場に向かう前に車内を冷やしておけるのは、小さなお子さまを連れているご家庭には特に嬉しい機能です。
④e:HEVの静粛性で子連れドライブを快適に
オデッセイのパワートレインは2.0L e:HEVのみで、街中での走行はEVに近いモーターのみで行われます。そのため、街乗りでの静粛性は非常に高く、赤ちゃんが眠っているときも穏やかな車内環境を保てます。
燃費性能もWLTCモードで19.6〜19.9km/Lと、大柄なミニバンとしてはかなり燃費重視のセッティングになっており、長距離の帰省や旅行でも給油回数を抑えられます。高速道路ではエンジンが車軸に直結されて効率よく巡航するため、長距離移動でも疲れにくいドライブフィールが続きます。
⑤両側パワースライドドアで子連れの乗り降りもスムーズ
オデッセイには両側パワースライドドアが装備されており、荷物で両手がふさがっている場面でも自動でドアが開閉してくれます。スライドドアのため、隣の車にドアをぶつける心配もなく、駐車場でのちょっとしたストレスから解放されます。
スマートフォンアプリを使えば離れた場所からでもドアの開閉や施錠確認が行えるため、お子さまを連れて荷物を持ちながら駐車場を移動するシーンでも、手元のスマホひとつで準備が整えられます。
グレードの選び方
現行オデッセイのグレードは3種類で、すべてe:HEV・FF・7人乗りという共通仕様です。パワートレインに違いはなく、装備内容と外内装の仕様で選ぶ形になります。
e:HEV ABSOLUTE(アブソルート)はエントリーグレード。シートヒーター・電動シート・パノラミックビューモニターなど、豪華な装備が標準で揃っており、「入門グレードでもこれだけ装備されているの!?」と驚くご家庭も多いです。
e:HEV ABSOLUTE・EX(アブソルート・EX)は本革シートやトリプルゾーンオートエアコンなど上質な装備が加わる中間グレード。長時間のドライブで後席乗員の快適性を特に重視するご家庭に向いています。
e:HEV ABSOLUTE・EX BLACK EDITION(ブラックエディション)は最上級グレード。ブラッククロームメッキのフロントグリル・ブラックスモークレンズのリアコンビランプ・マットベルリナブラックの18インチアルミホイールなど、内外装の随所にブラック加飾が施された精悍な一台です。「上質な中にもスポーティな個性を加えたい」というパパ・ママに特におすすめです。
チャイルドシートとの相性は?
オデッセイのリアシートにはISOFIXアンカーが装備されており、ISOFIXタイプのチャイルドシートをしっかりと固定できます。
2列目シートはオットマン付きのキャプテンシートで広々とした空間があり、チャイルドシートを設置したあとも隣のシートや通路に十分なゆとりが生まれます。2列目にはUSBチャージャーも装備されているため、お子さまのタブレット端末を充電しながら長距離移動を楽しめるのも嬉しいポイントです。
両側パワースライドドアのおかげで赤ちゃんを抱えながらの乗せ降ろしもスムーズに行えます。全高を抑えた超低床設計により乗り込み口の高さが低めに抑えられているため、チャイルドシートへの乗せ降ろし時にかがむ動作が少なくて済むのも助かるポイントです。
なお、7人乗り専用モデルのため、2列目はキャプテンシートの2席構成です。チャイルドシートを2台設置する場合は2列目と3列目に1台ずつ配置する形になります。3列目へのアクセスは2列目シートを前にスライドさせることで確保できます。
気になるデメリットは?
正直にお伝えすると、気になる点もいくつかあります。
最大のデメリットは価格の高さです。エントリーグレードのアブソルートでも508万円超と、ステップワゴンのAIR EXと比べても大幅に高い価格帯になります。諸費用込みで考えると600万円近い予算が必要になることも念頭に置いておきましょう。
次に4WDが選べない点です。現行オデッセイはFFのみの設定で、4WDモデルは用意されていません。雪の多い地域にお住まいのご家庭や、冬場の高速道路・山道を頻繁に走るご家庭にとっては、大きなデメリットになる可能性があります。
また7人乗り専用のため、8人乗りが必要なご家庭には対応できません。大家族や、祖父母と8人乗りたいシーンが多い方はステップワゴンのほうが向いているでしょう。
さらに外部給電機能(V2H・V2L)が非搭載のため、キャンプ場や停電時の電源として活用したい方には向きません。
こんなご家庭におすすめ!
- 立体駐車場対応でありながら、3列すべてを快適に使えるミニバンを求めるご家庭
- 長距離の帰省・旅行が多く、後席の快適性を最優先したいファミリー
- e:HEVの静粛性と上質な乗り心地でプレミアムな移動空間を求める方
- マンション住まいで、高さ制限のある立体駐車場を利用しているご家庭
- デザインにこだわり、「オデッセイに乗っている」という特別感を楽しみたいパパ・ママ
ファミリーカーとしての総評
※表は横にスクロールできます ↔️
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 室内の広さ・使い勝手 | ★★★★★ | 3列すべてが大人の長距離移動に対応する上質な空間 |
| 安全性能 | ★★★★★ | Honda SENSING全車標準装備、Honda CONNECTも充実 |
| 乗り降りのしやすさ | ★★★★☆ | 両側パワースライドドア+低床設計。7人乗り専用で2列目配置に少し工夫が必要 |
| 運転のしやすさ | ★★★★★ | e:HEVで19.6〜19.9km/L。街乗りの静粛性はクラス最高水準 |
| 維持費・コスパ | ★★★★★ | 全高1,695mmで立体駐車場OK。大型ミニバンでこの取り回しは唯一無二 |
総合評価
★★★★★
4.5 / 5.0点
オデッセイは「立体駐車場に入れながら、3列すべてを上質に使えるミニバン」というポジションで、ステップワゴンとは異なる個性を放っています。価格帯は高めですが、超低床プラットフォームによる取り回しのよさ・3列すべての上質な快適性・e:HEVならではの静粛性と燃費性能は、同クラスの中でも際立っています。
「ミニバンは欲しいけれど、立体駐車場の問題があって諦めていた」「後席に乗る家族にも、できる限り上質な移動空間を提供したい」そんなこだわりを持つパパ・ママにとって、オデッセイはホンダラインナップの中でもひときわ特別な存在となるでしょう。
*掲載価格・スペックは2026年3月時点の情報です。詳細はホンダ公式サイトまたは販売店でご確認ください。
