「走行距離が12万km、初度登録から14年。もう値段なんてつかないだろう」——そう思って、廃車費用を払おうとしていませんか。
結論からお伝えすると、10万kmを超えていても、13年落ちでも、値段がつく車はたくさんあります。むしろ、その前提で動くかどうかで、手元に残るお金が数万円から十数万円変わることがあります。この記事では、その理由と具体的な進め方を解説します。
結論:10万km超え・13年超でも値段はつきます
まず押さえておきたいのは、国内の中古車市場だけが車の行き先ではないということです。日本車は海外で高く評価されており、10万kmや15万kmという距離は、輸出市場では「まだ十分に走れる車」と見なされます。
実際、日本では値段がつきにくい過走行車が、東南アジアやアフリカ、中東などへ輸出され、現地で長く使われるケースは珍しくありません。「日本の基準では古い」だけで、車としての価値がゼロになるわけではないのです。
大切なのは、その価値を評価できる業者に見てもらうこと。ここを間違えると、本来なら値段がついたはずの車を、費用を払って処分することになりかねません。
なぜ「10万km」が壁と言われるのか
10万kmという数字が特別視される理由は、車の性能というより買い手の心理と検索の仕組みにあります。
中古車を探す人の多くは、検索条件で「走行距離10万km以下」と指定します。すると9万9,000kmの車は表示され、10万1,000kmの車は表示されない——状態はほぼ同じでも、買い手の目に触れる機会が変わってしまうのです。
買取店はその先の売りやすさを見て値段を付けるため、この差が査定額に反映されます。つまり「10万kmを超えると車が急に傷む」わけではなく、市場での見つけられやすさが変わるという話です。
この事実は、裏を返せばすでに10万kmを大きく超えている車なら、11万kmでも15万kmでも評価の下がり方は緩やかになることを意味します。壁を越えたあとは、距離の差より車の状態のほうが効いてきます。
13年超で税金が上がる仕組み
もうひとつの節目が初度登録から13年です。ここを超えると税金が上がります。
自動車税(種別割)——ガソリン車は13年超で概ね15%程度の重課となります(軽自動車も同様に上がります)。
自動車重量税——13年超・18年超と段階的に上がり、車検のたびの負担が増えます。
この重課は、「乗り続けるコスト」が年々増えていくことを意味します。加えて13年も経てば、タイヤ・バッテリー・ブレーキ関連などの消耗品が同時に交換時期を迎えやすく、車検の見積もりが跳ね上がることも珍しくありません。
「まだ動くから」と乗り続けた結果、税金と整備費で車の価値以上のお金を払っていた——これは実際によくある話です。13年という節目は、一度立ち止まって計算してみる良いきっかけになります。
過走行・高年式車でも需要がある3つの理由
なぜ値段がつくのか、その根拠を整理します。
海外輸出の需要がある
日本車は「壊れにくい」という評価が世界的に定着しています。整備環境が限られる国ほど日本の中古車が求められ、走行距離が10万km台でも現役として扱われます。
部品としての価値がある
車体として使えなくても、エンジン・ミッション・電装品などは中古部品として流通します。同じ型の車に乗り続けている人にとって、部品の供給源は貴重です。
国内にも安価な足として需要がある
「通勤で使い倒す」「農作業用」といった用途では、価格の安さが最優先されます。距離が多くても安ければ買い手が付く層が確実に存在します。
気になる車が見えてきたら、いまの愛車の相場も知っておくと安心です。
ディーラーの下取り額と比べる材料になります。
この3つの需要があるおかげで、国内の中古車販売店だけを基準にした「値段がつかない」は、正しくないことが分かります。大切なのは、自分の車がどの需要に当てはまるかを、業者に判断してもらうことです。
【比較表】走行距離・年式別の考え方
※表は横にスクロールできます ↔️
値段がつきやすい車・つきにくい車の違い
同じ「10万km超え」でも、車種によって評価は大きく分かれます。
値段がつきやすいのは、海外で人気のある車種です。耐久性に定評のあるモデル、部品の入手性が良いモデル、現地で商用に使えるモデルなどは、距離が多くても引き合いがあります。
一方、つきにくいのは国内専用色が強く、海外需要の薄い車種です。また、電子制御が複雑で現地の整備環境で直しにくい車も、評価が伸びにくい傾向があります。
ここで大切なのは、この判断は素人には難しいということです。「うちの車は古いから」と自己判断で決めつけず、実際に査定を受けて確かめるのが確実です。査定は無料なので、確かめるコストはゼロです。
廃車にする前に必ず確認したいこと
過走行車で最も避けたいのが、値段がつく車に費用を払って処分してしまうことです。
解体業者に依頼すると処分費用がかかる場合がありますが、買取業者なら値段がついたうえで引き取ってもらえる可能性があります。同じ「手放す」でも、支出と収入では大違いです。
また、廃車にする場合でも還付金が受けられることがあります。
自動車税の還付——年度途中で抹消登録すると、残りの月数分が戻ります(軽自動車は対象外)。
自賠責保険の還付——車検残がある状態で抹消すると、残期間分が戻ります。
リサイクル預託金——購入時に預けた費用が、条件により戻ることがあります。
これらの還付を業者が受け取ってしまうケースもあるため、見積もりの内訳は必ず確認してください。「無料で引き取ります」という提案が、実は還付金を差し引けばマイナスだった、ということもあり得ます。
過走行車を少しでも高く売る方法
距離や年式は変えられませんが、次の点で評価は変わります。
輸出ルートを持つ業者に当たる
これが最も効きます。国内販売しか想定していない業者と、輸出できる業者とでは、同じ車でも見込む売値がまったく違います。
整備記録簿を揃える
距離が多い車ほど「きちんと整備されてきたか」が重視されます。記録簿は、走行距離のマイナスを補う数少ない材料です。
車検を通す前に査定を受ける
13年超の車検は重量税も上がり、整備費もかさみます。車検に10万円以上かけてから「やっぱり買い替え」となるのが最も損です。見積もりが出た時点で査定額と比べてください。
もうひとつ、売却のタイミングを逃さないことも大切です。過走行車は月を追うごとに距離が増え、年式も古くなります。「そのうち考えよう」と半年先延ばしにすると、その間に走行距離が5,000km増え、車検の時期も近づきます。迷っている期間そのものが、静かに価値を削っていくと考えてください。
子育て世代が知っておきたいこと
結婚前から乗っていた車が、そのまま子育て期に突入し、気づけば10年10万km——これは非常によくあるパターンです。
このとき考えたいのが、安全装備の世代差です。10年以上前の車と現行モデルでは、衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い抑制装置の有無・性能に大きな開きがあります。家族を乗せる車である以上、これは「まだ動くかどうか」とは別の軸で考える価値があります。
また、13年超の重課と整備費の増加を合わせると、年間で数万円単位の負担増になることも珍しくありません。「買い替えるお金がないから乗り続ける」つもりが、乗り続けるコストのほうが高くついていた、という逆転も起こり得ます。
まずは今の車にいくらの値がつくかを知るところから始めてください。それが分かれば、買い替えの現実味が具体的な数字として見えてきます。
実務的なコツとしては、査定を依頼するときに「走行距離と年式」を先に伝えてしまうことをおすすめします。その条件でも扱う業者かどうかが最初に分かり、無駄なやり取りが減ります。「10万km超えですが対応可能ですか」と一言添えるだけで、話が早くなります。
よくある質問
Q. 20万km走っていますが、さすがに値段はつきませんよね?
車種と状態によりますが、値段がつくケースはあります。特に耐久性で評価の高い車種や、海外需要のある車種では20万km超でも取引されています。少なくとも、査定を受ける前に諦める理由にはなりません。
Q. エンジンがかからない不動車でも売れますか?
売れる可能性があります。部品取りとしての価値があるためです。ただし引き取りにレッカーが必要になるため、その費用の扱いを事前に確認してください。
Q. 車検が切れていますが、査定は受けられますか?
受けられます。車検切れの車は公道を走れないため、出張査定や引き取りの手配が必要になります。査定を依頼する際に「車検が切れている」と伝えれば対応してもらえます。
Q. 13年を超える直前に売ったほうがいいですか?
税金の重課は売る側ではなく、その後乗り続ける人にかかるコストです。ただし買い手側もそれを織り込むため、13年超は評価に影響します。売却を考えているなら、13年を迎える前に動くほうが有利になりやすいでしょう。
Q. 廃車と買取、どちらが得ですか?
まず買取査定を受けてから判断してください。値段がつけば買取のほうが確実に得です。値段がつかなかった場合に初めて、廃車手続きと還付金を検討する順序が合理的です。
まとめ:確かめるコストはゼロです
過走行・高年式の車について、押さえておきたいのは次の4点です。
10万kmは性能の壁ではなく、検索条件の壁——超えた後の下がり方は緩やかです。
海外輸出と部品需要がある——日本の基準で価値が決まるわけではありません。
業者間の差が最も大きい領域——1社の「値段がつかない」を結論にしないでください。
車検を通す前に査定を——10万円かけた直後に手放すのが最も損です。
「もう古いから」と処分費用を払う前に、一度査定を受けてみてください。それで値段がつかなければ、そのとき廃車を検討すればいいだけです。査定は無料で、売却の義務もありません。確かめないまま手放すことだけが、取り返しのつかない選択になります。
下取りと買取の違いや売るタイミングの考え方もあわせてご覧ください。一括査定の注意点を押さえておけば、電話の負担も抑えながら比較できます。

