クラウン(セダン)ってどんな車?
トヨタの「クラウン(セダン)」は、1955年の初代「トヨペット・クラウン」から70年にわたってトヨタのフラッグシップセダンとして走り続けてきた、クラウンブランドの正統な継承者です。2022年に発表された新世代クラウンシリーズ(クロスオーバー・スポーツ・セダン・エステート)の第3弾として、2023年11月13日に発売されました。
「快適な乗り心地と上質な走りとともに、ショーファーニーズを満たすくつろぎの空間を創出。正統派セダンを再定義する新スタイルで、パーソナルにもビジネスにも応える”ニューフォーマル”という新たな価値観に挑戦し、”セダン再発見”を感じさせるクルマ」として登場した一台です。
他の3車種(クロスオーバー・スポーツ・エステート)がすべてSUVベースで4WDを採用するのに対し、クラウン(セダン)は新世代クラウンシリーズで唯一のFR(後輪駆動)プラットフォームを採用しており、伝統的なセダンの走りにこだわったつくりとなっています。
2025年5月には一部改良が実施され、クラウン誕生70周年を記念した特別仕様車「Z”THE 70th”」も追加。さらに2025年5月時点でJNCAPファイブスター大賞を獲得するなど、安全性能においても高い評価を得ています。
パワートレインは2.5Lハイブリッド(HEV)730万円と、水素を燃料に走行中にCO2を排出しない燃料電池車(FCEV)855万円の2種類のみ、グレードはZの1グレードのみというシンプルな構成となっています。この価格帯と構成からも、クラウン(セダン)は明確に「特別な一台」として位置づけられていることが伝わってきます。
ファミリーカーとしての魅力
①歴代最大ボディが生む、ゆとりの後席空間
クラウン(セダン)のボディサイズは全長5,030mm×全幅1,890mm×全高1,475mm、ホイールベース3,000mmという、歴代クラウンシリーズ初のグローバルモデルとして初の全長5mを超えるサイズです。このゆとりあるサイズが生み出す後席空間は、「ゆとりを十分にもたせた後席空間は、ゲストをもてなし、移動する時間に心安らかなくつろぎをもたらす」と謳われるほど。
後席には電動リクライニング機能や大型センターアームレストが装備されており、長時間の乗車でも疲れにくい設計となっています。おじいちゃん・おばあちゃんを後席に乗せての家族でのお出かけや、特別な日のドライブで後席の家族を最高にもてなしたい、そんな場面でクラウン(セダン)の後席の快適性は本領を発揮します。
②FRセダンならではのフラットで優れた乗り心地
クラウン(セダン)はクラウンシリーズで唯一のFR(後輪駆動)プラットフォームを採用しており、重量配分や慣性モーメントを最適化することで、市街地から高速道路、荒れた路面や山道にいたるまでフラットな乗り味を提供します。
オーナーからも「市街地から高速道路、荒れた路面や山道にいたるまでフラットな乗り味を提供する」という評価が寄せられており、長距離の帰省や旅行でも後席に乗る家族が疲れにくい、上質な乗り心地が続きます。ロードノイズは多少聞こえるものの、それ以外の静粛性はきわめて高く、ハイブリッドシステムとFCEVのどちらも静かな車内環境が保たれます。
③Toyota Safety Senseが標準装備。2025年度JNCAPファイブスター大賞受賞
Toyota Safety Senseが標準装備されており、プリクラッシュセーフティ・レーンディパーチャーアラート・レーダークルーズコントロール・ロードサインアシストなど、充実した機能が毎日の運転をサポートしてくれます。
安全性能の客観的な評価においても、2025年度のJNCAP(日本自動車アセスメント)でファイブスター大賞を獲得しており、その安全性は折り紙付きです。大切な家族を乗せるクルマの安全性能について、最高水準のお墨付きを得ていることは、購入を検討するパパ・ママにとって大きな安心材料となるでしょう。
④FCEVモデルは走行中にCO2ゼロ。環境にも配慮した未来の選択肢
クラウン(セダン)のFCEV(燃料電池車)は、水素を燃料として発電したエネルギーでモーターを駆動させる仕組みで、走行中にCO2を一切排出しません。「走れば走るほど空気をクリーンにする」という特徴を持ち、究極の環境対応車として先進的な選択肢を提供しています。
FCEVはモーター駆動のため、低速域から力強いトルクが得られ、加速は非常にスムーズ。高い静粛性とあわせて、これ以上ないほど快適な移動体験を家族に提供してくれます。「環境意識が高く、未来の技術に乗り続けたい」という価値観を持つご家庭には、特別な選択肢です。水素ステーションの普及に伴い、実用性もさらに高まっていくでしょう。
⑤「THE 70th」特別仕様車が示す、クラウンのブランド力
2025年5月に追加された特別仕様車「Z”THE 70th”」は、クラウン誕生70周年を記念した限定モデルです。HEV・FCEV双方に設定され、特別内外装色「プレシャスメタル×プレシャスホワイトパール」の2トーンや、特別設定内装色「ブラックラスター」など、通常モデルとは一線を画す特別感が際立ちます。
「クラウンに乗っている」という所有の満足感・ブランド力は、他の車にはなかなか代えられないものがあります。特別な一台を選ぶことで、毎日の家族の移動が少し特別な体験になる、それがクラウン(セダン)の持つ独自の魅力です。
グレードの選び方
クラウン(セダン)のグレードはZの1種類のみ。パワートレインによって2種類から選ぶシンプルな構成です。
Z(HEV・ハイブリッド車)は、2.5Lマルチステージハイブリッドシステムを搭載したモデルです。WLTCモード燃費は22.4km/Lで、クラウン(セダン)のサイズと上質さを考えると十分な燃費性能です。一般的な給油で補充できるガソリン車の利便性と、ハイブリッドならではの静粛性・低燃費を兼ね備えています。
Z(FCEV・燃料電池車)は、水素を燃料に走行中CO2ゼロで走れる最先端のパワートレインです。水素ステーションが整備されているエリアにお住まいのご家庭や、環境意識が高くFCEV技術に魅力を感じるご家庭向けの選択肢です。
チャイルドシートとの相性は?
クラウン(セダン)のリアシートにはISOFIXアンカーが装備されており、ISOFIXタイプのチャイルドシートをしっかりと固定できます。ホイールベース3,000mmが生み出すゆとりある後席空間のおかげで、チャイルドシートを設置したあとも隣に座る大人がゆったりと座れるスペースが残ります。
ただし、セダン特有のドアの開口部のつくりから、赤ちゃんをチャイルドシートへ乗せる際には少し体をかがめる動作が必要になります。スライドドア車と比べると、この点では差があることは正直にお伝えしておきます。
全長5,030mmという大柄なボディは取り回しに少し慣れが必要ですが、いったん乗り込んでしまえば、後席の快適性はこのクラスで最上級と言えます。お子さまが成長し、チャイルドシートを卒業した後の後席空間の広々とした快適さは、ファミリードライブをより一層特別なものにしてくれます。
気になるデメリットは?
正直にお伝えすると、いくつか大きなデメリットもあります。
最大のデメリットはやはり価格の高さです。HEVで730万円、FCEVで855万円という価格は、これまでご紹介してきたすべての車種の中で最も高い価格帯です。諸費用込みで考えると800万円〜1,000万円近い予算が必要になる場合もあり、一般的なファミリー層には現実的に手が届きにくい価格帯と言えます。
次に荷室の狭さです。FCEVは燃料電池システムの搭載により荷室容量がHEVより少なく、「荷室はとにかく狭い」というオーナーの声もあります。HEVモデルではゴルフバッグが3個収納可能ですが、ベビーカーや大量の旅行荷物を積み込む機会が多いご家庭には、ラゲッジの使い勝手で不満を感じる場面があるかもしれません。
また、全長5,030mm・全幅1,890mmという大柄なボディは、立体駐車場の高さ制限(全高1,475mmはクリア)よりも長さ・幅の制限で入れない場合があります。マンションの機械式駐車場を利用しているご家庭は、事前にサイズ制限を必ず確認してください。
さらに、グレードとパワートレインの選択肢が少なく、装備のカスタマイズ余地が限られています。「あの装備を付けたい、この装備は不要」という細かい選好には対応しにくい面があります。
こんなご家庭におすすめ!
- 「クラウン」という日本を代表する70年のブランドと歴史に価値を感じるパパ・ママ
- 後席に乗る家族や祖父母に最上の移動体験をプレゼントしたいご家庭
- FCEVで環境への貢献と最先端技術を家族の移動に取り入れたいご家庭
- 長距離の帰省・旅行が多く、フラットで上質な乗り心地を重視するご家庭
- 「人生の節目に、特別な一台を」という想いを持つパパ・ママ
ファミリーカーとしての総評
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| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 室内の広さ・使い勝手 | ★★★★☆ | WB3,000mmの後席空間は別格。ただしトランクは狭め・大荷物には注意 |
| 安全性能 | ★★★★★ | Toyota Safety Sense標準装備、2025年度JNCAPファイブスター大賞受賞 |
| 乗り降りのしやすさ | ★★★☆☆ | セダン+ヒンジドアで赤ちゃん連れはやや手間。大柄ボディの取り回しにも慣れが必要 |
| 運転のしやすさ | ★★★★☆ | FRのフラットな乗り心地と静粛性は秀逸。ただし全長5mのサイズ感に慣れが必要 |
| 維持費・コスパ | ★★☆☆☆ | HEV 730万円〜という価格は別格。燃費はHEVで22.4km/Lと実用的 |
総合評価
★★★★★
4.0 / 5.0点
クラウン(セダン)は「ファミリーカーとしての汎用性」ではなく、「大切な家族の移動を、日本最高峰のセダンで格上げしたい」という特別な想いに応えてくれる一台です。700万円を超える価格は一般的なファミリー向けとは言い難いですが、後席の上質な快適性・FRセダンならではのフラットな乗り心地・JNCAPファイブスター大賞の安全性能・70年の歴史に裏打ちされたブランドの重みは、このクラスでしか味わえない特別な価値です。
「いつかはクラウン」という言葉が長年にわたって語り継がれてきたように、クラウン(セダン)は単なる移動手段を超えた、家族の歴史に刻まれる特別な一台となるでしょう。
*掲載価格・スペックは2026年3月時点の情報です。詳細はトヨタ公式サイトまたは販売店でご確認ください。

