日産 エルグランドってどんな車?
日産の「エルグランド(ELGRAND)」は、1997年の誕生以来「日本最高峰のプレミアムミニバン」として君臨し続けてきた大型高級ミニバンです。現行E52型は2010年のデビュー以来、数度の大掛かりな改良を重ねて現在に至ります。全幅1,850mmの堂々たるボディ・圧倒的な室内空間・本革内装を軸に、セレナやノア/ヴォクシーとは「別次元のプレミアム感」を提供する、国産ミニバン市場の頂点に立つ一台です。
エンジンは2.5L V6自然吸気(250系・2WD)と3.5L V6自然吸気(350系)の2種類。いずれも6速CVTを組み合わせ、ハイオク指定のガソリン専用モデルです(ハイブリッドなし)。360°セーフティアシスト(前方・側方・後方)は全グレード標準装備。
グレードは250ハイウェイスターS・250ハイウェイスタープレミアム・350ハイウェイスター・350ハイウェイスタープレミアムをベースに、カスタムカーのAUTECH、特別仕様のアーバンクロム、ショーファードリブン仕様のVIPまで幅広く展開。ボディサイズは全長4,925mm×全幅1,850mm×全高1,815〜1,850mm、ホイールベース2,950mm。日産公式サイト掲載の現行価格は、最廉価の250ハイウェイスターS(2WD・7/8人乗り)が約408万円から、VIP・AUTECH上位グレードで約838万円まで設定されています。
なお、2025年10月のジャパンモビリティショーで次世代エルグランド(e-POWER搭載の新型)が公開されており、フルモデルチェンジが近いとみられています。現行モデルは一部グレード・ボディカラーの新規注文受付を終了しており、購入検討の際は販売店への確認をおすすめします。
ファミリーカーとしての魅力
①国産ミニバン最大級の室内空間、大家族もゆったり移動できる圧倒的な広さ
エルグランドのホイールベース2,950mmが生み出す室内空間は、国産ミニバンの中でも最大級の広さを誇ります。3列目シートに大人が乗っても足元・頭上ともに十分なゆとりがあり、長距離移動でも全席の乗員が快適に過ごせます。
「3列目に座らされる人がかわいそう」という問題が他のミニバンでは起きがちですが、エルグランドでは3列目も1・2列目と同様のくつろぎが実現されています。祖父母を含む3世代での長距離旅行でも、全員が満足できる移動空間はエルグランドならではです。
②両側パワースライドドア全グレード標準、大型ボディでも乗り降りの利便性を確保
エルグランドは全グレードに両側パワースライドドアを標準装備しています。全幅1,850mmの大型ボディでも、スライドドアのおかげで隣の車にドアをぶつける心配がありません。開口部も広く、チャイルドシートへの乗せ降ろしやベビーカーの積み下ろしが比較的スムーズに行えます。
大型ミニバンだからこそ、スライドドアの「隣の車を気にしなくていい」という安心感は日常のあらゆる駐車場面で実感できます。
③360°セーフティアシスト全車標準、前後左右すべての死角をカバーする安全性能
全グレードに標準装備される**360°セーフティアシスト(前方・側方・後方)**は、エルグランドの安全性能の核心です。全幅1,850mmという大型ボディで子連れ駐車をする際の不安を、アラウンドビューモニター(全方位カメラ)と各種衝突防止支援で包括的にサポートします。
子どもを乗せながら大きなボディを取り回す場面で、前後左右全方向の死角をカバーしてくれる360°のカメラと安全システムは、大型ミニバン選びで最も重要な安心材料の一つです。
④本革シート・上質な静粛性、家族全員が「特別な移動」を体験できるプレミアム空間
プレミアム以上のグレードに標準装備される本革シートと、大型ボディが実現する高い静粛性は、セレナや軽自動車とは別次元の移動体験を提供します。シートの座り心地・素材感・内装の質感すべてにおいて「乗り込むたびに特別感がある」のは、エルグランドにしか出せない価値です。
「家族旅行の移動自体が旅の一部になる」。そんな体験を日常の移動に求める方にとって、エルグランドのプレミアム空間は選ぶ理由として十分な説得力を持ちます。
⑤VIPグレードで究極のショーファードリブン空間、子育てを卒業した世代も視野に
最上位のVIPグレードは4人乗り仕様(VIPパワーシートパッケージ)を設定し、セカンドシートが電動オットマン付きの豪華なリクライニングシートになります。パパ・ママが前に座り、後席のじいじ・ばあばや夫婦にプレミアム空間を提供する「大人のファミリーカー」として、子育て世代が将来的に目指す一台としても注目できます。
グレードをどう選ぶ?
エルグランドはエンジン排気量(250/350)と装備グレード(S/プレミアム)の組み合わせで展開されています。※価格は日産公式サイト(2026年4月現在)に基づきます。
250ハイウェイスターS(2WD・7または8人乗り)はエントリーグレード。エルグランドの基本的な室内空間・両側パワースライドドア・360°セーフティアシストを最も手頃な価格で手に入れられます。約70%のユーザーが選ぶ最量販グレードで、セレナより一段上の室内空間をお求めのご家庭向けです。
250ハイウェイスタープレミアム(2WD・7人乗り)は、本革シート・電動ムーンルーフ・インテリジェントアラウンドビューモニターなど上質装備が充実。ファミリーカーとしての実用性と上質感を両立したいご家庭に最もおすすめしたいグレードです。
350ハイウェイスター(2WD・7または8人乗り)は、3.5L V6エンジンによるパワフルな走りと充実した装備を両立したグレード。高速道路での余裕ある加速を求める方に。
350ハイウェイスタープレミアム(2WD・7人乗り)は、3.5L V6エンジン×本革シート×プレミアム装備の組み合わせ。エルグランドの走りと上質さを最高水準で楽しみたいご家庭に。
VIP(7人乗り)は約600万円〜で、4人乗りVIPパワーシートパッケージは約633万円〜。ショーファードリブン仕様を求める方向けの特別グレードです。
AUTECHは、ダーククロームフロントグリルや専用装備でカスタマイズされたカスタムカー。個性と上質さを兼ね備えたご家庭向けです。
チャイルドシートとの相性は?
エルグランドの後席にはISOFIXアンカーが装備されており、ISOFIX対応チャイルドシートの取り付けが可能です。
ホイールベース2,950mmの広大な室内により、チャイルドシートを設置しても前席との距離に十分なゆとりがあります。全高1,815〜1,850mmのボディで両側パワースライドドアの開口部も広く、チャイルドシートへのアクセスは良好です。
ただし大型ボディゆえに、車高が高く子どもを抱き上げて後席に乗り込む際は少し高さがあります。アシストグリップを活用してください。また全幅1,850mmと大型ゆえ、立体駐車場(1,850mm幅制限が多い)への入庫や機械式駐車場(多くが幅1,850mm以下対応)への入庫には注意が必要です。
気になるデメリットは?
プレミアムミニバンとして高い完成度を誇るエルグランドですが、ファミリーカーとして選ぶ際に正直にお伝えしたいデメリットがあります。
最大の問題はハイオク専用・燃費の悪さです。250系でもWLTCモード燃費は約9.7〜11.2km/L、350系はさらに低く約9.5km/L前後と、現代のハイブリッドミニバン(セレナe-POWER約18〜19km/L、アルファードHV約17〜18km/L)と比べると大幅に劣ります。ハイオク仕様と相まって、毎月の燃料費は相当な出費になります。
次に全幅1,850mmの大型ボディによる取り回しの困難さ。都市部の細い路地、コインパーキング、機械式立体駐車場(多くが1,850mm以下)では入庫できない場合があります。自宅駐車場のサイズ確認は必須です。
また現在フルモデルチェンジが近いという点も重要です。ジャパンモビリティショー2025で次世代エルグランド(e-POWER搭載)が公開されており、現行E52型は長いモデルライフの末期にあります。新型投入前の現時点での購入は、値引き交渉のチャンスでもありますが、最新技術を求める方は新型を待つ判断もあり得ます。
さらにガソリンモデルのみ(ハイブリッドなし)という点で、環境性能や維持費面での競争力がアルファードハイブリッドに劣ります。
アルファードとの違いは?ファミリー目線で比較
エルグランドの最大のライバルはトヨタのアルファードです。
アルファード(現行4代目)は約555万円〜約1,160万円で、2.5L HEV(ストロングハイブリッド)または2.4Lターボ搭載。燃費はHEVで約17〜18km/LとエルグランドのV6ガソリンを大幅に上回ります。ウィッシュシート(セカンド)、三眼LEDヘッドランプ、ブランド価値の高さでプレミアムミニバン市場を席巻し、リセールバリューも高水準。
エルグランドは約408万円〜約838万円で、アルファードと比べると2.5L V6ガソリン専用で燃費面は劣りますが、エントリーグレードが約408万円と相対的に手が届きやすい点、ホイールベース2,950mm(アルファード3,000mm)の広大な室内、日産のサービス網でのメンテナンスという選択肢があります。
まとめると、「高いリセールバリュー・ハイブリッドの低燃費・トヨタの安心感」ならアルファード、「エントリーグレードからの手が届きやすい価格・日産プレミアムミニバンの歴史と格式」ならエルグランドです。
こんなご家庭におすすめ!
- セレナより一段上の室内空間と上質さを求めるご家庭。3列目まで全員が快適な移動を実現したい方
- 祖父母含む3世代での移動が多く、全席に余裕の座り心地を提供したいパパ・ママ
- 全幅1,850mmの大型ボディを許容できる自宅駐車場・行動範囲があり、ハイオク・低燃費のランニングコストを織り込んだ上で選ぶご家庭
- アルファードと悩んでいるが、エントリー価格の低さとエルグランドのブランドに惹かれる方
- 将来的にVIPグレードでじいじ・ばあばを乗せるショーファードリブン使いを視野に入れる方
ファミリーカーとしての総評
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| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 室内の広さ・使い勝手 | ★★★★★ | WB2,950mmの国産ミニバン最大級の室内。3列目まで全員が快適。両側PWスライドドア全車標準 |
| 安全性能 | ★★★★★ | 360°セーフティアシスト(前方・側方・後方)全車標準。大型ボディを全方位でカバー |
| 乗り降りのしやすさ | ★★★★☆ | 両側パワースライドドアで乗降は良好。ボディが高く子どもの乗せ降ろしはやや気を使う |
| 運転のしやすさ | ★★★☆☆ | 全幅1,850mmは都市部での取り回しに要注意。立体駐車場・機械式駐車場は事前確認必須 |
| 維持費・コスパ | ★★☆☆☆ | ハイオク専用・燃費約9〜11km/Lは現代基準では厳しい。購入価格も高水準 |
総合評価
★★★★★
3.8 / 5.0点
日産エルグランドは、「室内の広さ・上質さ・全席の快適性」において国産ミニバンの頂点に立つ、妥協のないプレミアムミニバンです。燃費・取り回し・ランニングコストという現実的なデメリットはあるものの、「家族全員が最高の移動体験を共有できる空間」という価値において、エルグランドを超える国産ミニバンは存在しません。また、現行モデルがフルモデルチェンジを控えていることから、新型e-POWER搭載モデルへの期待も高まっています。
「家族の移動を、ただの移動ではなく特別な時間にしたい」。そんな想いを持つパパ・ママにとって、エルグランドは国産プレミアムミニバンの頂点として、変わらぬ存在感を放ち続けています。
*掲載価格・スペックは2026年3月時点の情報です。詳細は日産公式サイトまたは販売店でご確認ください。

