子どもが2人になると、必ずぶつかるのがチャイルドシート2台問題です。
「うちの車、2台載るのかな」と調べ始めた方に、先に核心をお伝えします。2台載せること自体は、たいていの車でできます。問題は、載せた後に何人乗れるかです。
多くのご家庭が、買ってから「5人乗りのはずなのに5人乗れない」と気づきます。このページでは、なぜそうなるのかと、車種を選ぶ段階で何を確認すべきかを整理します。
結論:2台は載る。ただし「5人乗り」が「実質4人乗り」になる
定員5名の車は、後席が3人掛けになっています。ここにチャイルドシートを左右に2台設置すると、中央の席は事実上使えなくなります。
理由は3つあります。
①幅が足りない。チャイルドシートは1台あたりの座面幅が大きく、2台並べると中央に残るスペースはごくわずかです。大人が座るには狭すぎます。
②ベルトが締められない。中央席のシートベルトは、左右のチャイルドシート本体に隠れてしまうことが多く、バックルにアクセスできなくなります。
③乗り降りできない。仮に座れたとしても、両側をチャイルドシートに挟まれているため、乗り込むにも降りるにも一度どちらかを外す必要が出てきます。
つまりカタログの「乗車定員5名」は、チャイルドシート2台を積んだ時点で実質4名になります。祖父母を乗せる予定があるなら、この前提で車を選ぶ必要があります。
ISOFIXとシートベルト固定、どちらで付けるか
チャイルドシートの取り付け方法は2種類あります。ここを理解しておくと、確認すべき項目がはっきりします。
ISOFIX固定
座席に埋め込まれた金具に、チャイルドシート側の金具を直接差し込む方式です。取り付けミスが起きにくく、ぐらつきも少ないのが利点で、現在の主流になっています。
注意点は、ISOFIXに対応した座席の数が車種・グレードによって決まっていることです。多くの場合は後席の左右2席ですが、中央席が非対応であることがほとんどです。2台までなら問題ありませんが、3台は困難になります。
シートベルト固定
車のシートベルトを使ってチャイルドシートを固定する方式です。ベルトがある席ならどこにでも取り付けられるのが利点で、ISOFIX非対応の座席にも設置できます。
ただし正しく締めるにはコツが必要で、緩んでいると効果が落ちます。また、この方式でも中央席に3台目を置く場合の「幅が足りない」問題は解決しません。
確認すべきこと
契約前に、「ISOFIX対応の座席がどこに何席あるか」を必ず確認してください。グレードによって変わることがあり、カタログの装備表に記載されています。
在庫から探す場合
条件を伝えると、非公開の在庫も含めて候補が出ます。
年式・装備・予算を伝えて探してもらう形です。自分で探すより、条件に合う個体が見つかりやすくなります。
在庫を探してもらう無料/依頼後に販売店から電話連絡が入ります【比較表】ボディタイプ別・チャイルドシート2台の適性
| ボディタイプ | 2台載せの適性 | 2台載せた後に乗れる人数 |
|---|---|---|
| 軽スーパーハイトワゴン | ★★★★☆ | 後席が2席なので中央が潰れる問題は起きない。合計4名 |
| コンパクトカー | ★★☆☆☆ | 後席が狭く作業しづらい。実質4名 |
| ミドルサイズSUV | ★★★☆☆ | 後席は広いが3人掛け。中央は使いにくく実質4名 |
| コンパクトミニバン | ★★★★★ | 2列目に2台置いても3列目が残る。合計5〜6名 |
| ミドルサイズミニバン | ★★★★★ | 最も余裕がある。2列目2台でも3列目に複数名 |
表で注目していただきたいのは、軽スーパーハイトワゴンの評価が意外に高い点です。もともと後席が2人掛けなので、「中央席が潰れる」という損失が発生しません。もっとも、合計4名という上限は変わらないため、5人で乗る予定があるなら選べません。
一方、最も損をするのがミドルサイズSUVと5人乗りのコンパクトカーです。定員5名と書いてあるのに、実際には4名になります。この落差が「思っていたのと違う」の正体です。
数値はすべてメーカー公式の主要諸元表・装備一覧から取っています。室内幅の広い順に並べました。
【実測比較】主要12車種の室内幅とISOFIX装備席
| 車種 | 室内幅 | 条件と判定 |
|---|---|---|
| マツダ CX-80 | 1,550mm | 全幅1,890mm/2列目左右にISOFIX/6・7人乗り。2台載せても3列目が残る唯一の存在。6人乗りは2列目がキャプテンシートで、左右に1台ずつがちょうど収まります。 CX-80のレビューを見る |
| トヨタ クラウン(スポーツ) | 1,540mm | 全幅1,880mm/後左右にISOFIX/5人乗り。5人乗りのなかでは最も幅に余裕があります。ただしパノラマルーフを付けると室内高が1,145mmまで下がります。 クラウン(スポーツ)のレビューを見る |
| レクサス NX | 1,520mm | 全幅1,865mm/後左右にISOFIX(i-Size対応)/5人乗り。室内幅はUXと同一で、室内長はUXより25mm短い数値です。 NXのレビューを見る |
| レクサス UX | 1,520mm | 全幅1,840mm/後左右にISOFIX/5人乗り。コンパクトSUVという見た目に反して、幅の数値はカローラ系より上です。 UXのレビューを見る |
| トヨタ カローラスポーツ | 1,510mm | 全幅1,790mm/リヤ左右にISOFIX/5人乗り。室内高1,155mmは低めで、背の高いチャイルドシートは頭上の確認が必要です。 カローラスポーツのレビューを見る |
| トヨタ カローラツーリング | 1,510mm | 全幅1,745mm/リヤ左右にISOFIX/5人乗り。全幅はこの表で下から2番目なのに、室内幅は上位という逆転が起きています。 カローラツーリングのレビューを見る |
| トヨタ カローラクロス | 1,505mm | 全幅1,825mm/リヤ左右にISOFIX/5人乗り。室内高1,260mmはこの表で最も高く、乗せ降ろしは楽な部類です。 カローラクロスのレビューを見る |
| スバル クロストレック | 1,505mm | 全幅1,800mm/リヤ左右にISOFIX(i-Size対応)/5人乗り。室内長1,930mmで前後の余裕は大きめです。 クロストレックのレビューを見る |
| トヨタ bZ4X | 1,500mm | 全幅1,860mm/リヤ左右にISOFIX/5人乗り。全幅は上位なのに室内幅は下位。BEVはバッテリー保護構造に幅を使うためです。 bZ4Xのレビューを見る |
| マツダ MAZDA2 | 1,445mm | 全幅1,695mm/リア左右にISOFIX/5人乗り。5ナンバー幅のボディで、2台並べるとほとんど余裕が残りません。 MAZDA2のレビューを見る |
| 日産 ノート オーラ | 1,445mm | 全幅1,735mm/後席左右にISOFIX(i-Size対応)/5人乗り。ただし室内長2,030mmで、前後は驚くほど広いという特徴があります。 オーラのレビューを見る |
| スズキ ラパン | 1,295mm | 全幅1,475mm/後席2名分のアンカー/4人乗り。2台載せると乗れるのは前席の大人2名だけ。「中央席が残る」という話自体が発生しません。 ラパンのレビューを見る |
この表で最も伝えたいのは、全幅と室内幅は一致しないということです。
全幅は1,475mm(ラパン)から1,890mm(CX-80)まで415mmの開きがあります。ところが軽を除いた室内幅は1,445mm〜1,550mmで、105mmしか違いません。カタログの全幅を見て「この車は大きいから2台も余裕だろう」と考えると、判断を誤ります。
実際、全幅1,745mmのカローラツーリング(室内幅1,510mm)は、全幅1,860mmのbZ4X(同1,500mm)より室内幅が広い。外寸で115mm負けているのに、後席の幅では勝っています。
もうひとつ、調べた12車種すべてで、ISOFIXアンカーは後席の左右2席にしかありませんでした。後席中央にISOFIXを備えた車は1台もありません。つまり「ISOFIXで固定できるのは最大2台」というのは、車種を問わない共通の答えです。
ひとつ注意点があります。この室内寸法は、各メーカーが公表している値ではありますが、いずれも「社内測定値」です。トヨタ・日産・スズキ・マツダ・スバル・レクサスはいずれも諸元表に「社内測定値」と明記しており、ホンダは「客室内寸法」という別の呼び方をしています。測り方に共通の規格はありません。
そのため同じメーカーの車同士を比べるときは信頼できますが、メーカーをまたいだ数mm単位の差は、実際の広さの差とは限りません。この表は「全幅と室内幅は連動しない」という傾向をつかむために使い、最終判断は実車で行ってください。
加えて、この室内幅は内張り面での測定値です。実際にチャイルドシートを置ける幅はこれより狭くなりますし、製品ごとの外寸差も大きいため、候補が決まっているなら実車での確認は省略しないでください。
軽自動車にチャイルドシート2台は載るか
載ります。N-BOXやタント、スペーシアといったスーパーハイトワゴンは、後席の前後方向に余裕があり、チャイルドシートを2台並べても窮屈になりません。天井も高いため、ベルトを締める作業も比較的楽です。
ただし軽自動車の乗車定員は4名です。チャイルドシート2台+前席2名でちょうど定員に達します。祖父母を乗せることも、3人目の子どもを乗せることもできません。
このあたりの判断はファミリーカーに軽自動車はあり?恥ずかしいと感じたときの判断基準とN-BOXは何人乗り?定員4名で子ども3人は乗せられる?で詳しく扱っています。
5人乗りの普通車で2台載せるときの注意点
SUVやコンパクトカー、セダンなど3列目のない車を選ぶ場合、次の3点を押さえてください。
①後席の幅を実測する
同じ「5人乗り」でも、後席の幅は車種によって10cm以上違います。使う予定のチャイルドシートを持ち込んで、実車で並べてみるのが最も確実です。
販売店に事前に伝えておけば、たいてい対応してもらえます。
②ドアの開口部を確認する
チャイルドシートは重く、かさばります。ドアの開き方が小さいと、設置作業そのものが苦行になります。
とくに立体駐車場や狭い駐車場では、ドアを全開にできません。その状態で子どもを乗せ降ろしできるかを想像してみてください。
③前席が下がるかを確認する
後ろ向きチャイルドシートを付けると、その前の座席を大きく下げられなくなることがあります。運転する方や助手席に座る方の身長によっては、姿勢に無理が出ます。
背の高い方がいるご家庭では、ここが実際の不満につながりやすい部分です。
3列シート車なら解決するか
します。というより、チャイルドシート2台と5人乗車を両立させたいなら、3列シート車が唯一の現実的な解です。
2列目にチャイルドシートを2台置いても、3列目が空いています。祖父母を乗せることも、上の子を座らせることもできます。フリードやシエンタのようなコンパクトミニバンなら、車体も大きくなりすぎません。
さらに余裕が欲しいならノア・ヴォクシー・セレナといったミドルサイズミニバンが候補になります。定員の考え方は8人乗りの車一覧にまとめました。
ただし注意点があります。3列目を使うと荷室がほとんど残りません。チャイルドシート2台+3列目に人、という状態で旅行に行くなら、荷物の置き場を別に考える必要があります。
購入前に実車で確認すべき5点
販売店で必ずやっておくべきことを挙げます。カタログの数字では絶対に分からない部分です。
- チャイルドシートを実際に2台並べる(可能なら手持ちのものを持ち込む)
- 2台置いた状態で中央席に座ってみる——座れるか、ベルトが締められるか
- 後ろ向きシートを付けた状態で前席の位置を確認——運転姿勢に無理がないか
- ISOFIX対応席の位置と数を装備表で確認——グレードで変わることがある
- ドアを半分だけ開けた状態で乗せ降ろしを試す——狭い駐車場を想定
とくに2つ目は、多くの方が確認せずに契約しています。ここを試すかどうかで、購入後の満足度が大きく変わります。
チャイルドシートが必要な期間はどれくらいか
車選びの前に、この制約がいつまで続くのかを把握しておくと判断が変わります。
道路交通法では6歳未満の幼児に使用が義務づけられています。6歳の誕生日を迎えれば法的な義務はなくなりますが、実際にはそこで終わりません。
法律上の義務は6歳未満まで
子どもが2人いる場合、上の子と下の子の年齢差にもよりますが、2台が同時に必要な期間はおおむね数年間です。年子なら6年近く、3〜4歳差なら2〜3年程度になります。
この期間だけのために大きな車に買い替えるべきか、というのは正当な問いです。年数を数えてみてください。
義務が終わっても使い続けることが多い
シートベルトは身長140cm前後を想定して設計されているため、6歳を過ぎても体格が小さいうちはジュニアシートを使うのが安全です。肩ベルトが首にかかる状態は危険なので、身長が届くまでは何らかの補助を使うことになります。
ただしジュニアシートは座面だけの製品も多く、チャイルドシートほど幅を取りません。上の子がジュニアシートに移行した時点で、後席中央が使えるようになるケースもあります。ここが1つの節目です。
買い替えのタイミングとしては
2台が同時に必要な期間が2〜3年なら、いまの車で乗り切るという判断も十分合理的です。一方、これから5年以上続くなら、早めに買い替えたほうが日々のストレスは確実に減ります。
「あと何年、2台必要か」を数えてから決める——これが最も後悔の少ない進め方です。
よくある質問
助手席にチャイルドシートを付けてもいいですか?
法律で禁止されてはいませんが、推奨されません。とくに後ろ向きに取り付けるタイプは、エアバッグが作動したときに子どもへ強い衝撃が加わる危険があります。
後席に空きがあるなら、必ず後席に設置してください。
チャイルドシートを3台載せられる車はありますか?
2列目に3台並べられる車種はごく限られます。現実的には2列目に2台、3列目に1台という配置になり、3列シート車が必須です。
なお軽自動車は後席が2席しかないため、3台は不可能です。
レンタカーや祖父母の車に付け替えるのは大変ですか?
ISOFIX固定なら比較的簡単ですが、相手の車がISOFIXに対応している必要があります。古い車ではシートベルト固定になり、取り付けに手間がかかります。
頻繁に付け替えるなら、着脱しやすい製品を選ぶか、2台目を用意したほうが結果的に楽です。
後席中央にチャイルドシートを1台だけ置くのはどうですか?
子どもが1人なら、中央は側面衝突から最も遠い位置なので安全性の面では有利です。
ただし中央席はISOFIX非対応であることが多く、シートベルト固定になります。取り付けが確実にできるかを実車で確認してください。
まとめ:見るべきは「載るか」ではなく「載せた後に何人乗れるか」
整理します。
- チャイルドシート2台は、たいていの車に物理的には載る
- ただし後席3人掛けの中央席は実質的に使えなくなる
- 結果として、定員5名の車は実質4名になる
- 軽自動車は後席2席なので中央が潰れる損はないが、上限は4名
- チャイルドシート2台+5人乗車を両立するなら3列シート車が唯一の解
車を選ぶときは、「チャイルドシートが2台載るか」ではなく「2台載せた状態で、乗せたい人が全員乗れるか」で判断してください。この問いに置き換えるだけで、候補はかなり絞り込めます。
家族構成別の判断基準は4人家族の車選びと5人家族の車選びにまとめています。
ISOFIXで固定できるのが何席なのかは、ISOFIXは何席にある?34車種の装備表で確認したでメーカー公式の記載をそのまま並べています。
チャイルドシート以外の判断軸もあわせて確認するなら、ファミリーカーの選び方|公式諸元で決まる7つの判断軸と決める順番で公式の記載を並べて確認しています。
チャイルドシートをいつまで使うのかについては、チャイルドシートは何歳まで?法律は6歳未満、でも卒業の基準は年齢ではないで公式の記載を並べて確認しています。
後席の置き忘れを知らせる装備の有無は、後席の置き忘れを知らせる装備はどの車に付いている?シートベルト警告とは別物で公式の記載を並べて確認しています。
チャイルドシートを持ち込んで試す方法は子育て世代の試乗チェックリスト|カタログの数値では分からない6つを30分で確かめるで公式の記載を並べて確認しています。
2台ではなく3台になると、固定方法の前提が変わります。詳しくはチャイルドシート3台は載る?7人乗りでも3列目にISOFIXは無いで整理しています。
2列目は車体の上下動がいちばん小さい席です。詳しくは子どもが車酔いしやすいとき、車のどこを見るかで整理しています。
2台載せる前に、そもそもその席に付くかを確認しておくと確実です。詳しくはチャイルドシートが付けられない車はある?適合を決める車側の4条件で整理しています。
2台載らない場合の扱いは、条文で細かく決まっています。詳しくはチャイルドシートの免除は8つだけ|祖父母の車・タクシー・帰省で整理しています。
2台になると、置ける場所はほぼ決まります。詳しくはチャイルドシートはどの席に付ける?中央席は安全そうで装備がいちばん薄いで整理しています。
読み終えたあとに
候補が決まったら、実際の在庫を見ると具体的になります。
年式・装備・予算を伝えると、非公開の在庫も含めて候補を出してもらえます。
在庫を探してもらう無料/依頼後に販売店から電話連絡が入りますこの車以外の候補も、条件から絞り込めます
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