ルノーグランカングーのレビュー|ISOFIXアンカーが5席分ある7人乗り

ルノーグランカングーのイラスト|3列シートのロングボディワゴンの側面図

子育て世帯が車を選ぶとき、最後まで引っかかるのがチャイルドシートをどこに何台つけられるかです。

その一点で、ルノーグランカングーは国産ミニバンを含めても異例の装備を持っています。ISOFIXのチャイルドシート用アンカーが、助手席・2列目左右・3列目の計5席に用意されているのです。

7人乗りで4,820,000円(税込)。輸入車としては決して安くありませんが、「チャイルドシートが足りない」という悩みに正面から答えられる数少ない一台です。

目次

グランカングーってどんな車?

グランカングーは、フランスのルノーが作る3列シートの実用ワゴンです。商用バンをベースにした成り立ちで、飾り気のない箱型のシルエットをしています。

日本では特別仕様車の「グランカングー クルール」として販売されており、メーカー希望小売価格は4,820,000円(税込)、乗車定員は7名です。

短いほうのカングーが5人乗りなのに対し、グランカングーは車体を伸ばして3列目を追加したモデルにあたります。

ファミリーカーとしての魅力

①ISOFIXアンカーが5席分ある

これが最大の特徴です。公式サイトによれば、ISOFIXチャイルドシート用アンカーは助手席・2列目左右・3列目の計5席に装備されています。

国産ミニバンの多くは2列目の左右2席のみ、多くても3席程度です。5席分というのは、チャイルドシートを3台使う時期でも配置に困らないことを意味します。

このサイトでは繰り返しお伝えしていますが、子どもが3人いる家庭で最大の壁になるのがチャイルドシートの設置場所です。チャイルドシート2台が無理なく載る車の選び方でも触れたとおり、後席3人掛けに2台置くと中央が潰れます。グランカングーはそこを装備で解決しています。

なお助手席への設置は、エアバッグの関係で推奨されない点は変わりません。アンカーがあることと、そこに設置すべきかは別なので、実際の配置は販売店と相談してください。

②シートの自由度が非常に高い

2列目・3列目のシートは折りたたみ・跳ね上げ・前後スライド・取り外しがすべて可能です。

公式サイトでは3つの使い方が示されています。

  • 7名乗車——送迎やグループでの移動など、人数を優先したいとき
  • 5名乗車+ラゲッジ——3列目シートを取り外して荷室の余裕を確保
  • 2名乗車+2・3列目を折りたたみ——大きな荷物を積むとき

3列目を「取り外せる」というのが国産ミニバンとの大きな違いです。国産車の多くは床下格納か跳ね上げ式で、車内に残ります。取り外してしまえば、その分だけ純粋に荷室が広がります。

普段は5人+大量の荷物、必要なときだけ7人——という使い分けが、装備として想定されています。

③3列目まで視界が確保されている

公式サイトが「シアターポジション」と呼ぶ設計で、後ろの席ほど座面が高くなり、3列目まで前方の視界が通るようになっています。

3列目に座った子どもが前を見渡せるかどうかは、車酔いのしやすさに直結します。「3列目に乗せると気分が悪くなる」という悩みがあるご家庭には、意味のある設計です。

新車の納期が長いなら、登録済み未使用車という手もあります。

非公開の在庫を含めて、希望の条件で探してもらえます。

条件を伝えて探す無料/依頼後に電話連絡あり

正直に言うと、ここが弱点です

価格は国産ミニバンより高い

4,820,000円という価格は、国産ミドルサイズミニバンの上位グレードと同等かそれ以上です。「輸入車の実用ワゴンだから安い」ということはありません。

特別仕様車として販売されているため、グレードによる価格調整の幅も限られます。

維持費は輸入車のそれ

部品代や整備工賃は国産車より高くなります。ディーラー網も国産メーカーほど密ではないため、お住まいの地域によっては整備のたびに遠出することになります。

購入前に、最寄りのルノー正規ディーラーがどこにあるかを必ず確認してください。ここは輸入車全般に言えることですが、子育て中は車が使えない期間が生活に直結するので、特に重要です。

手放すときの評価は読みにくい

国産の人気ミニバンと違い、流通量が限られます。数年後にいくらで手放せるかが読みにくい点は、購入時に織り込んでおくべきです。

購入価格だけでなく、売却時まで含めた実質負担で考えてください。

デザインの好みが分かれる

商用バン由来の割り切った箱型です。この形が好きな人には強く刺さり、そうでない人には最後まで馴染みません。実車を見てから判断してください。

こんなご家庭におすすめ

評価項目 評価 コメント
チャイルドシート対応 ★★★★★ ISOFIXアンカーが計5席。国産ミニバンでも異例
シートの自由度 ★★★★★ 3列目を取り外せる。荷室と定員を使い分けられる
3列目の快適性 ★★★★☆ シアターポジションで視界良好。車酔いしにくい
価格 ★★☆☆☆ 482万円。国産ミニバン上位グレードと同等以上
維持のしやすさ ★★☆☆☆ 部品代・工賃が高く、ディーラー網も限られる

向いているご家庭

  • 子どもが3人いる、またはチャイルドシートを3台使う時期がある
  • 普段は5人+荷物、たまに7人という使い分けをしたい
  • 近くにルノー正規ディーラーがある
  • 実用一辺倒のデザインが好き

向いていないご家庭

  • 維持費と車両価格を抑えたい
  • 手放すときの金額を確実に読みたい
  • ディーラーが遠く、整備に時間をかけられない

3列目を取り外せることの実際

グランカングーの特徴として繰り返しお伝えしている「3列目の取り外し」ですが、実際の生活でどう効くのかを整理します。

荷室が本当に広くなる

国産ミニバンの3列目は、床下に沈むか左右に跳ね上げるかのどちらかです。どちらの方式でも、シート自体は車内に残ります。床下格納なら荷室の床が上がり、跳ね上げ式なら荷室の幅が狭くなります。

グランカングーは物理的に降ろしてしまえるので、その分の空間がまるごと荷室になります。ベビーカーとキャンプ道具を同時に積むような使い方では、この差がはっきり出ます。

ただし置き場所と手間が要る

取り外したシートは、当然どこかに置いておく必要があります。自宅に保管スペースがないと成立しません。

また、シートは相応の重さがあります。頻繁に着脱する使い方は現実的ではなく、「季節ごとに切り替える」程度の頻度が想定されていると考えてください。

使い分けの現実的な例

たとえば、平日は5人+通園グッズで3列目なし、長期休暇で祖父母を乗せるときだけ3列目を戻す——といった運用です。

年に数回の切り替えで済むなら、この方式は国産の格納式より合理的です。逆に週単位で人数が変わるご家庭には向きません。

よくある質問

グランカングーは何人乗りですか?

7名です。3列シートで、3列目を取り外せば5名乗車+広い荷室という使い方もできます。

チャイルドシートは何台つけられますか?

ISOFIXアンカーは助手席・2列目左右・3列目の計5席に装備されています。ただし助手席への設置はエアバッグの関係で推奨されません。

実際に何台を安全に設置できるかは、使用するチャイルドシートの寸法にもよります。手持ちの製品を持ち込んで実車で確認してください。

スライドドアは電動ですか?

装備の詳細はグレードや年式で変わるため、見積もり時に必ず確認してください。子どもを抱えたまま開けたい場面が多いなら、ここは妥協しないほうがいい部分です。

カングーとどちらを選ぶべきですか?

3列目が要るかどうかだけで決まります。5人までなら短いカングーのほうが取り回しがよく、価格も抑えられます。

6人以上で乗る機会があるならグランカングーです。

国産ミニバンと比べてどうか

同じ7人乗りで比べると、性格の違いがはっきりします。

チャイルドシートでは明確に上回る

ISOFIXアンカー5席分という装備は、ノアセレナステップワゴンといった国産ミドルサイズミニバンでも簡単には見当たりません。

子どもの人数が多い時期に限れば、この一点でグランカングーを選ぶ理由になります。

スライドドアはどちらも装備

グランカングーも両側スライドドアです。乗せ降ろしのしやすさという点では国産ミニバンと互角で、ここは輸入車としては貴重な長所です。

同じ輸入車でもゴルフトゥーランはヒンジドアなので、この差は小さくありません。

維持と売却では国産が有利

一方、部品供給・整備網・中古市場での評価は、いずれも国産ミニバンに軍配が上がります。「困ったときにすぐ直せる」ことの価値は、子育て中ほど大きくなります。

このあたりの比較はミドルミニバン3強比較もあわせてご覧ください。

まとめ:チャイルドシートの数で困っているなら

グランカングーの価値は、ISOFIXアンカー5席分と、3列目を取り外せるシートアレンジに集約されます。

子どもが3人いて、チャイルドシートの置き場所に困っている。この条件に当てはまるご家庭にとっては、国産車を含めても代わりが少ない一台です。

逆に、子どもが2人までで、維持費と売却時の金額を重視するなら、国産のミドルサイズミニバンのほうが総合的に有利です。装備で選ぶか、安心で選ぶか——判断はそこに行き着きます。

家族の人数から考えたい方は5人家族の車選びを、7人・8人乗りの全体像は8人乗りの車一覧をご覧ください。

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