三菱 アウトランダーPHEVってどんな車?
三菱自動車の「アウトランダーPHEV」は、2013年に世界初のSUVタイプ4WD PHEVとして登場した三菱のフラッグシップモデルです。「日常ではEV、遠出はハイブリッド」というコンセプトで電動SUVのカテゴリーを世界に先駆けてリードしてきました。現行の2代目は2021年12月16日にフルモデルチェンジし、「威風堂堂」をコンセプトに電動化技術と四輪制御技術を刷新しました。
2024年10月31日には大幅改良が実施され、三菱自動車公式ニュースリリースによると駆動用バッテリーの刷新によるEV航続距離の伸長・加速性能の約20%向上・内外装デザインの質感向上・12.3インチHDナビ全車標準化・シートベンチレーション採用・ヤマハと共同開発したオーディオシステム全車標準装備という6項目の大幅進化を遂げました。さらに2026年2月5日に特別仕様車BLACK Editionが発売されています。
三菱自動車公式ニュースリリースによると、2025年度のPHEVカテゴリー国内販売台数No.1を2年連続で獲得し、2025年3月には国内累計販売10万台を突破しています。グレードはM(5人乗り)・G・P・P Executive Package(各7人乗り/5人乗り選択可)・BLACK Edition特別仕様車(7人乗り/5人乗り)の5グレードで、全グレード4WD(ツインモーター・S-AWC)です。価格はM 約529万円から、BLACK Edition 約674万円〜(国の補助金58万円適用可)。ボディサイズは全長4,720mm×全幅1,860mm×全高1,745mm(M)/1,750mm(その他)です。
ファミリーカーとしての魅力
①EV航続距離102km(WLTCモード)×V2H/V2L対応、日常はEVで走り停電時は家族を守る電源となる
2024年10月の大幅改良で駆動用バッテリーを22.7kWhに刷新し、EV航続距離がM 106km・その他グレード102km(WLTCモード)と、従来から約20km伸長して大台の100kmを超えました。毎日の保育園・幼稚園の送迎・近所の買い物という日常の近距離移動は、充電したバッテリーだけでほぼEV走行でこなせる水準です。日常走行のほとんどをEVでまかなえれば、ガソリン代を大幅に節約できます。
さらに、三菱自動車の電気自動車レポートによるとV2H機器(別売)を使えばガソリン満タン状態でエンジン発電を組み合わせた場合に最大約11日分の電力を家庭へ供給できるという、他の軽EVやPHEVと一線を画す非常電源能力を持ちます。また車内には100V AC/最大1,500WのV2L電源(ラゲッジスペースと2列目足元の2口)が標準装備されており、アウトドアでの電気調理器・照明・スマートフォン充電など直接給電が可能です。「災害時の家族の安心を確保する最後の砦」としての価値が、22.7kWhの大容量バッテリーに詰まっています。
②S-AWC(スーパー・オール・ホイール・コントロール)搭載の全車4WD×ブレーキAYC、雨・雪・悪路も圧倒的な走行安定性で家族を守る
アウトランダーPHEVは全グレードがツインモーター4WDで、三菱独自の車両運動統合制御システムS-AWC(スーパー・オール・ホイール・コントロール)を全車標準装備しています。前後モーターのトルク配分を電子制御で瞬時に最適化し、後輪側のブレーキAYC(アクティブヨーコントロール)を組み合わせることで、コーナリングの安定性・雨天のウェット路面・圧雪路・急勾配の悪路でも高次元の走行安定性と操縦性を実現しています。
子どもを乗せて毎日走る家族のドライブ、スキー場への雪道、台風・大雨の日の送り迎えなど、「どんな路面でも安定して走れる」という安心感は、ファミリーカーとして最も大切な価値のひとつです。アウトランダーPHEVの全車4WD+S-AWCは、この安心感を軽自動車・コンパクトSUVとは根本的に異なるレベルで提供します。
③ヤマハ共同開発オーディオ全車標準・12.3インチHDナビ全車標準(G以上)・シートベンチレーション採用、2024年大幅改良で上質さが格段に向上した室内
2024年10月の大幅改良でヤマハ株式会社との共同開発オーディオシステムが全車に標準装備されました。ヤマハの音楽思想に基づき臨場感ある4つのサウンドタイプを設定し、ドアの設計まで見直して最高の音響空間を実現しています。家族でのドライブ・子どもの乗車中でも上質なサウンド環境で移動を楽しめます。
G以上では12.3インチHDスマートフォン連携ナビゲーションが全車標準装備となり、大画面での地図・経路案内・コネクティッド機能が利用できます。P以上ではシートベンチレーション(前席)が標準装備され、夏の暑い日のシート温度を快適に保ちます。P Executive Packageにはセミアニリンレザーシート・メモリー&リフレッシュ機能付きパワーシート・3ゾーン独立温度コントロール式フルオートエアコンが装備されており、プレミアムSUVとしての高い質感が実現されています。
④7人乗り設定(G・P・P Executive Package・BLACK Edition)で最大7名が乗れる選択肢、大家族や3世代での外出にも対応
アウトランダーPHEVのG・P・P Executive Package・BLACK Editionには7人乗り設定があり、3列目シートを装備できます。国産SUVのPHEVで7人乗りが選べるモデルは数少なく、「子どもが2人以上いて将来的に3列シートが欲しい」「祖父母を含めた3世代で1台に乗りたい」「将来的にもう1人子どもができてもゆとりある車に乗りたい」というご家庭に向いた選択肢です。
ただし3列目シートはアウトドアSUVボディに格納された折り畳み式のため、居住性・頭上空間はフリードやシエンタなどの専用設計ミニバンより劣ります。3列シートをメインで使う機会が多い場合は、3列ミニバンとの比較検討も価値があります。
⑤PHEVカテゴリー国内2年連続No.1・2013年以来の世界60カ国以上での実績・補助金58万円対象、信頼性と経済合理性を両立
三菱自動車公式ニュースリリースのとおり、アウトランダーPHEVは2024年度・2025年度のPHEVカテゴリー国内販売台数で2年連続No.1を達成し、国内累計10万台を突破(2025年3月)した実績を持ちます。2013年の発売以来世界60カ国以上で販売された信頼性の高さは、購入後の安心感につながります。
また国の補助金(令和6年度補正予算)58万円の対象となっており、M(約529万円)から補助金を差し引くと実質約468万円〜となります(補助金制度は変更される場合があります。購入時点の最新制度をご確認ください)。EV走行による日常のガソリン代節約・エコカー減税・CEV補助金を組み合わせると、長期的な保有コストでの合理性が生まれます。
グレードをどう選ぶ?
アウトランダーPHEVは5グレード・5人乗りまたは7人乗りから選べます。
M(5人乗り)はe-Assist・S-AWC・EV航続106kmが揃うエントリーグレードです。18インチホイール・LEDヘッドライト(ALH未搭載)で装備はシンプルですが、PHEVとしての基本性能は全グレード共通です。
G(7/5人乗り)は20インチホイール・ALH(アダプティブLEDヘッドライト)・12.3インチHDナビ・ヤマハオーディオ・シートヒーター・ステアリングヒーターが標準装備される主力グレードです。7人乗りも選べ、多くのご家庭にとってバランスのよい選択肢です。
P(7/5人乗り)はヘッドアップディスプレイ・シートベンチレーション・本革シート・電動パノラマサンルーフ(オプション)など上質な快適装備が充実する上位グレードです。
P Executive Package(7/5人乗り)はセミアニリンレザーシート・3ゾーン独立温度コントロールエアコン・Dynamic Sound Yamaha Ultimate(12スピーカー)・メモリー&リフレッシュパワーシートが加わる最上級グレードです。
BLACK Edition(特別仕様車・7/5人乗り)はP Executive Packageをベースにグロスブラックのルーフレール・20インチグロスブラックアルミホイール・各部ブラックアクセントで統一した精悍なスタイルの特別仕様車です(2026年2月5日発売)。
チャイルドシートとの相性は?
アウトランダーPHEVの後席にはISOFIX対応チャイルドシート固定ロアアンカレッジとトップテザーアンカレッジが装備されており、ISOFIX対応チャイルドシートの正しい固定が可能です。
ヒンジドア(通常の開き戸)のため、スライドドア車(eKスペース・デリカミニ等)と比べて駐車場の隣の車との距離が狭い場合はドア開閉に制約が生じます。ただし全高1,745〜1,750mmの大型SUVとして後席への乗り込みはしやすく、後席頭上空間にもゆとりがあります。全幅1,860mmの大型ボディで幅広い後席を確保しており、チャイルドシート設置後も隣席との余裕が十分にあります。
なお全高1,745〜1,750mmは多くの立体駐車場の全高制限(1,550mm)を大幅に超えるため、ご利用の駐車場の制限高を事前にご確認ください。
気になるデメリットは?
アウトランダーPHEVをファミリーカーとして正直にお伝えする点があります。
価格が約529万円〜(補助金前)と高価格です。補助金58万円を差し引いても実質約471万円〜となり、軽自動車・コンパクトカーを日常の足グルマとして乗るご家庭の家計からすると、かなり大きな支出となります。電気代節約・補助金・税制優遇を組み合わせても、投資回収には長期間の乗り続けが前提となります。
スライドドアがないことは、毎日チャイルドシートへの乗せ降ろしを行うご家庭に不便をもたらします。eKスペース・デリカミニ等のスライドドア車と比べると、狭い駐車場での後席アクセスに制約が生じます。
また全幅1,860mmの大型ボディは取り回しと駐車に慣れが必要です。都市部の立体駐車場・コインパーキング・スーパーの駐車場では車幅を意識した操作が求められます。
PHEVのメリットを最大化するには自宅充電設備が必要です。自宅で毎晩充電できない環境ではEV走行のコスト削減効果が薄れます。マンション・集合住宅で充電設備がない場合は購入前に確認してください。
トヨタ RAV4 PHVとの違いは?ファミリー目線で比較
アウトランダーPHEVの国内最大の競合であるトヨタ「RAV4 PHV」との違いを整理します。
アウトランダーPHEVはEV航続距離102〜106km(RAV4 PHVは95km)・全車S-AWC(高精度ツインモーター4WD)・V2H/V2L対応・7人乗り設定・ヤマハ共同開発オーディオが強みです。PHEVカテゴリーの先駆者としての実績と三菱の電動化技術の粋を集めたモデルです。
RAV4 PHVはTSS(トヨタセーフティセンス)の先進安全システム・トヨタの充実した全国販売網・メーカーとしてのブランド知名度が強みです。トヨタ販売店でのサービス体制を重視するご家庭に向いています。
「EV航続距離の長さ・V2Hでの家庭電源確保・三菱のS-AWC四輪制御を重視する」ならアウトランダーPHEV、「トヨタブランドの信頼性・全国の充実した販売サービス網を重視する」ならRAV4 PHV、という選び方が目安です。
こんなご家庭におすすめ!
- 自宅に充電設備を持つ戸建て住宅で、日常はEV走行でガソリン代を節約しながら、停電時のV2H家庭電源確保も実現したいご家庭。
- 雨・雪・悪路でも全車S-AWCの高精度4WDで安定した走りで家族を守りたい、アクティブなドライブを楽しむご家庭。
- 7人乗り設定で3世代・大人数での外出にも対応できる余裕のあるPHEV-SUVを探しているご家庭。
- V2Lでキャンプ・アウトドアの電源を車から確保しながら、災害時の備えも兼ねたいご家庭。
- PHEVカテゴリーの国内累計10万台・2年連続No.1という実績の高い信頼性と、三菱フラッグシップSUVのプレミアムな所有感を重視するご家庭。
ファミリーカーとしての総評
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| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 室内の広さ・使い勝手 | ★★★★☆ | 全幅1,860mmの大型SUVとして後席・荷室に十分なゆとり。7人乗り設定(G以上)で大家族・3世代乗車にも対応可能。スライドドアなし。 |
| 安全性能 | ★★★★★ | 全車S-AWC(高精度ツインモーター4WD)・ブレーキAYC・e-Assist・ALH(G以上)と三菱最高水準の安全・走行安定性。PHEVカテゴリー国内2年連続No.1の信頼性。 |
| 乗り降りのしやすさ | ★★★☆☆ | スライドドアなしのヒンジドア。大型SUVボディの乗降はしやすいが、狭い駐車場での後席アクセスや全幅1,860mmの車幅への慣れが必要。 |
| 運転のしやすさ | ★★★★☆ | S-AWC全車4WDの安心感・EV走行の静粛性・ヤマハオーディオの快適性で長距離ドライブも快適。大型SUVのため都市部の駐車・取り回しに慣れが必要。 |
| 維持費・コスパ | ★★★☆☆ | 約526万円〜(補助金前)と高価格。自宅充電環境があればEV走行でランニングコストを大幅削減可能。V2H/V2Lの多用途活用を含めた長期的な価値を考慮すれば合理性は高い。 |
総合評価
★★★★★
3.5 / 5.0点
三菱 アウトランダーPHEVは、「PHEVカテゴリー国内2年連続No.1・累計10万台突破の圧倒的な信頼性」「EV航続102km超×V2H/V2Lによる停電備えとアウトドア活用の独自価値」「S-AWC全車4WDによる雨雪悪路を問わない走行安定性」「ヤマハ共同開発オーディオ全車標準・12.3インチHDナビのプレミアムな室内」という4つの際立つ強みを持つ、三菱電動化技術の結晶です。スライドドアがなく、大型SUVボディで約529万円〜(補助金前)という高価格は、純粋なファミリーカーとしての評価を3.5点に留める主な要因です。しかし「V2Hで停電時も家族を守りたい」「どんな路面も安定して走れるSUVに乗りたい」「7人乗りのPHEVを選びたい」という具体的なニーズを持つご家庭には、他のどの車とも代替できない唯一無二の存在です。
*掲載価格・スペックは2026年3月時点の情報です。詳細は三菱公式サイトまたは販売店でご確認ください。

