スバルソルテラのファミリーカーレビュー!航続距離最大746kmのスバル初BEV SUVを徹底解説

スバル ソルテラ
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スバル ソルテラってどんな車?

スバルの「ソルテラ(SOLTERRA)」は、トヨタと共同開発されたスバル初のグローバルバッテリーEV(BEV)SUVです。2022年5月に初代が発売され、2025年10月29日に初のマイナーチェンジとなる改良モデルが発表、2025年11月27日より受注開始しました。

今回の改良はほぼ全面刷新ともいえる大規模なもので、スバル公式ニュースリリースによると「BEVとしての先進性と実用性にさらに磨きをかけた」内容です。主な変更点は、デザインの刷新(新ヘッドランプ・フロントバンパー・発光式六連星オーナメント)・リチウムイオンバッテリーの容量拡大と制御改良による航続距離の最大746kmへの大幅伸長・バッテリープレコンディショニング搭載による急速充電時間の大幅短縮(10%→80%が約28分)・モーター高出力化(FWD 165kW・AWD 252kW)・14インチ大型ディスプレイの全車標準装備です。

さらに価格が全グレードで約110万円値下げされ、購入のハードルが大きく下がりました。スバル公式サイトの価格はET-SS(FWD)が約517万円から。CEV補助金(2026年4月以降129万円一律)を活用すれば実質約388万円から購入可能です。

グレードはET-SS(FWD/AWD)とET-HS(AWD専用)の2グレード。ボディサイズは全長4,690mm×全幅1,860mm×全高1,650mm、ホイールベース2,850mm、5人乗り、最低地上高210mmです。

ファミリーカーとしての魅力

①航続距離最大746km・バッテリープレコンディショニングで急速充電約28分、BEV特有の「充電不安」を着実に解消

改良後のソルテラ最大のトピックが、WLTCモードで最大746km(ET-SS FWD)という航続距離です。旧モデルから大幅に伸長しており、満充電からの無充電で東京から本州の端まで到達できる計算です。家族での遠距離帰省・旅行で「途中で電欠にならないか」という不安を大幅に軽減します。

急速充電においても、新搭載のバッテリープレコンディショニング(充電前にバッテリー温度を最適化する機能)により、-10℃環境・150kW急速充電器使用で充電量10%→80%を約28分(旧モデル比約27分短縮)に短縮しています。冬の帰省途中でのSA急速充電も、食事・トイレ休憩と並行して完了できる実用的な時間です。ただしこれらはカタログ値・試験条件での数値であり、実際は気象条件・走行状況により大きく異なる場合があります。

②AWD 342ps・X-MODE搭載、スバルらしいAWD技術をBEVで実現

AWDモデルのシステム最高出力は252kW(342ps)で、BEVならではのモーター駆動による即応性の高いトルクとAWDの安定感が組み合わさり、雨天・積雪路でのファミリードライブで頼もしい走行安定性を発揮します。AWD車にはX-MODE(悪路走破制御システム)も搭載されており、雪道・泥道・砂地でのタイヤスリップを抑制するスバル独自の機能を、フォレスターやクロストレックと同様にBEVでも享受できます。スキー場へのアクセスや山岳キャンプ場への林道走行でも安心できる実力を持っています。

③エンジン音ゼロの静粛性・低重心の安定感・後席シートヒーター標準で、長距離ドライブでの家族の快適さが格別

BEVの最大の日常的メリットのひとつがエンジン音・振動ゼロによる静粛性です。EV走行中はモーター音のみで走行するため、後席に乗る子どもが眠りやすい静かな車内環境が実現します。乗り物酔いしやすいお子さんにとっても、BEVの静粛性は体感的に大きな差があります。バッテリーが床下に搭載されることによる低重心設計は高速走行・コーナリングでのフラットな安定感をもたらし、ホイールベース2,850mmが後席の足元空間を十分に確保しています。さらにソルテラはトヨタbZ4Xと異なり後席左右にシートヒーターを標準装備しており、冬の後席に乗る子どもへの配慮が行き届いています。

④荷室464〜475L・CEV補助金で実質約388万円〜、ミドルSUVとしての積載性とEVの経済メリット

荷室容量はET-SSで475L・ET-HSで464L(VDA法・フロアボード下段)と、ミドルSUVとして必要十分な積載力を確保しており、ベビーカー・キャンプ道具・旅行スーツケースを受け入れられます。購入費用についてはCEV補助金(2026年4月以降129万円一律)を活用すると実質約388万円から購入可能です(補助金額は制度変更により変動します。購入時点の最新制度をご確認ください)。さらに自宅充電が主体となることで月々の燃料費(電気代)がガソリン車と比べて大幅に抑えられる家庭も多く、初期費用の高さを長期的な維持費低減で補える可能性があります。

⑤14インチ大型ディスプレイ全車標準・SUBARU Safety Sense搭載、先進的な安全装備と使いやすい車内環境

改良モデルから14インチ大型ディスプレイが全グレード標準装備となり、車両情報・各種設定・ハードスイッチ類がディスプレイ内に集約されてシンプルで直感的な操作が可能になりました。Apple CarPlayにも対応し、家族旅行中のナビ・音楽操作も快適です。安全装備はSUBARU Safety Sense(第3世代Toyota Safety Senseベース)を搭載し、プリクラッシュブレーキ・全車速追従クルーズコントロール・車線逸脱警報などを標準装備。ユーロNCAP2022最高評価5つ星・JNCAP2022ファイブスター賞を受賞した高い安全性能を持ちます。ET-HS上位グレードにはハーマンカードンサウンドシステムも標準装備され、長距離ドライブでの車内音楽体験も充実しています。

グレードをどう選ぶ?

ソルテラはET-SSとET-HSの2グレード(FWD/AWD含め計3仕様)です。

ET-SS FWDは1モーター前輪駆動のエントリーモデルで、航続距離746km(WLTCモード)と最も長い航続距離が特徴です。雪道走行・悪路がほとんどなく、航続距離と購入コストを最優先するご家庭向けです。

ET-SS AWDは2モーター常時4輪駆動でX-MODE搭載。シンメトリカルAWDに匹敵するBEVの4WD性能で雪道・悪路に対応したいご家庭向けです。

ET-HS AWDはナッパレザー本革シート(ブルー基調)・ハーマンカードンサウンドシステム・20インチホイールが標準となる上位グレード。室内の上質さにもこだわりたいご家庭向けです。

チャイルドシートとの相性は?

ソルテラの後席にはISOFIX対応チャイルドシート固定ロアアンカレッジとトップテザーアンカレッジが装備されており、ISOFIX対応チャイルドシートの正しい固定が可能です。

ホイールベース2,850mmという長さは国産ミドルSUVで最大級の部類で、後席の足元空間は十分にゆとりがあります。全高1,650mmのSUVボディは後席への乗り込みがしやすく、チャイルドシートへのアクセスも比較的楽です。後席左右シートヒーターが標準装備されている点も、冬季の子どもの乗車に配慮した設計です。

なお全高1,650mmは立体駐車場の全高制限(1,550mm)を超えるため、ご利用の駐車場の制限高を事前にご確認ください。

気になるデメリットは?

ソルテラをファミリーカーとして検討するうえで、正直に伝えるべき重要なポイントがあります。

自宅充電設備が必須に近い点が最大のハードルです。公共急速充電のみの運用では「充電渋滞」「充電できる場所を探す手間」「充電待ち時間」が日常的なストレスになり得ます。マンション・集合住宅で充電設備がない場合、ソルテラの購入前に充電環境の整備が可能かどうか確認することが不可欠です。戸建て住宅で200V充電設備を設置できるご家庭が最も快適にBEVライフを送れます。

スライドドアがない点はフォレスターと同様の課題です。子どもの毎日の乗せ降ろしやチャイルドシートへのアクセスで、スライドドアを持つ車と比べて不便を感じる場面があります。

また車両価格が約517万円〜(補助金前)と高めで、補助金を差し引いても約388万円〜となります。BEVはガソリン車より車両価格が高い分、電気代の安さで長期的に取り戻す設計ですが、初期費用の大きさは子育て家族の資金計画で慎重に検討が必要です。

さらに急激な寒冷・炎天下での電費悪化・航続距離低下はBEV全般の課題で、カタログ値の746kmは冬の寒冷地での実用航続距離とは大きく異なる場合があります。積雪地域のご家庭は特に冬季の実用航続距離への理解が必要です。

トヨタ bZ4Xとの違いは?ファミリー目線で比較

ソルテラのOEM元(共同開発パートナー)がトヨタのbZ4Xです。基本的なプラットフォーム・バッテリー・パワートレインは共通ですが、いくつか実質的な差異があります。

ソルテラ独自の特徴は、回生ブレーキ強度をパドルで調節できること・走行モードに「パワー」モードを追加・AWD車で「エコ」モードでも常時4輪駆動を維持・ショックアブソーバーの減衰力が高めのスバル専用チューニング・後席左右シートヒーター標準装備・現金購入やクレジットによる「購入」が可能(bZ4Xはリース販売主体)という点です。

「スバルのディーラーでトータルサポートを受けたい」「後席シートヒーターを標準で欲しい」「購入(所有)でBEVを持ちたい」という場合はソルテラが明確な選択理由になります。逆に「スバル以外のディーラーで管理したい」「bZ4X専用装備を選びたい」という場合はbZ4Xの検討も価値があります。

こんなご家庭におすすめ!

  • 自宅に200V充電設備を設置できる戸建て住宅のご家庭で、毎月の電気代でガソリン代より節約したい
  • 航続746kmの余裕と急速充電約28分の実用性で、長距離帰省・旅行の充電不安を解消したい
  • EV走行の静粛性・低重心の上質な乗り心地で、後席の子どもを快適に長距離移動させたい
  • スバルのディーラーネットワークでAWD・X-MODEの悪路走行も含め安心してBEVライフを送りたい
  • CEV補助金を活用して実質約388万円台でBEV SUVをご家族のファーストカーとして導入したいご家庭

ファミリーカーとしての総評

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評価項目 評価 コメント
室内の広さ・使い勝手 ★★★★☆ 荷室464〜475L・ホイールベース2,850mmの広い後席空間。自宅充電設備の有無が使い勝手に直結する
安全性能 ★★★★★ SUBARU Safety Sense搭載。ユーロNCAP5つ星・JNCAP2022ファイブスター賞受賞。
乗り降りのしやすさ ★★★☆☆ スライドドアなし・全高1,650mmのSUV。チャイルドシート乗せ降ろしは一般的なSUVと同水準
運転のしやすさ ★★★★☆ BEVの静粛性・低重心の安定感・AWD+X-MODEの悪路走破性は本物。ただし充電インフラへの依存度が高い
維持費・コスパ ★★★☆☆ 補助金前517万円〜は高め。補助金後388万円〜・電気代の安さで長期的節約は可能。自宅充電設備の設置費用も考慮

総合評価

★★★★★

★★★★★

3.5 / 5.0点

スバル ソルテラは、「航続距離746km・急速充電約28分のBEV実用性の大幅向上」「AWD 342psとX-MODEによるスバルらしい走破性」「EV走行の静粛性と低重心の乗り心地」という明確な強みを持ちながら、「自宅充電設備が必要」「スライドドアなし」「補助金前517万円〜の車両価格」という子育て世代には明確なハードルを持つ一台です。自宅充電環境が整ったご家庭にとっては、長期的なランニングコストの低さと先進的なBEVライフスタイルで高い満足度をもたらします。しかし充電インフラが十分でない生活環境では、ガソリンSUVに比べて日常の不便さが積み重なる可能性があります。「BEVを我が家のファーストカーとして使い切れるか」を購入前にしっかり検討することを強くおすすめします。


*掲載価格・スペックは2026年3月時点の情報です。詳細はスバル公式サイトまたは販売店でご確認ください。

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