車を降りるとき、メーターに「後席を確認してください」と出る車があります。この機能をリヤシートリマインダー(ホンダはリアシートリマインダー)といいます。
主要装備一覧を21車種ぶん確認したところ、この装備があったのは5車種だけでした。一方で、名前の似た別の装備は20車種にありました。この2つは、まったく違うものです。
名前の似た2つの装備は、知らせる内容が違う
混同されやすいのが、次の2つです。
1つ目が「全席シートベルト非着用警告灯+リマインダー」。これは後席の人がシートベルトを締めていないときに、警告灯と警告音で知らせるものです。人が座っていることが前提の装備です。
2つ目が「リヤシートリマインダー」。こちらは降車時に、後席に何かを置き忘れていないかを確認するよう促すものです。
知らせるタイミングも目的も別です。「うちの車は後席の警告が出るから、置き忘れは大丈夫」という理解は成り立ちません。大半の車で出ているのは、ベルトを締めていないという警告のほうです。
21車種の装備状況
トヨタ・ホンダが公開している主要装備一覧・主要諸元表から、2つの装備の記載を確認したものです。
| 車種 | 後席の置き忘れ警告 | 全席ベルト非着用警告 |
|---|---|---|
| トヨタ アルファード/RAV4/bZ4X | あり | あり |
| ホンダ オデッセイ/CR-V | あり | あり |
| トヨタ シエンタ(現行) | 記載を確認できず | あり |
| トヨタ ノア/ヴォクシー | 記載を確認できず | あり |
| トヨタ プリウス/アクア/ヤリス/ヤリスクロス | 記載を確認できず | あり |
| トヨタ カローラ/カローラツーリング/カローラスポーツ/カローラクロス | 記載を確認できず | あり |
| トヨタ ハリアー/クラウンスポーツ | 記載を確認できず | あり |
後席の置き忘れ警告があったのはアルファード、RAV4、bZ4X、オデッセイ、CR-Vの5車種。一方でシートベルトの非着用警告は、確認した21車種のうち20車種にありました。
なおシエンタは旧型の装備表に「マルチインフォメーションディスプレイ(4.2インチカラーTFT液晶+リヤシートリマインダー機能付)」という記載がありましたが、現行の装備表では確認できませんでした。年式によって変わる可能性があります。
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装備表の書き方から分かる、この機能の性格
この装備が何をするものなのか、装備表の記載の仕方にヒントがあります。
先ほどのシエンタの記載では、リヤシートリマインダーはマルチインフォメーションディスプレイの「機能」として書かれています。つまりメーター内の画面に表示を出すものであって、独立した警報装置として記載されているわけではありません。
メーカーによって分類もばらばらでした。アルファードでは横滑り防止装置などと並ぶ安全装備の欄に、RAV4とオデッセイ・CR-Vではコートフックやヒーターダクトと並ぶ快適装備の欄に書かれています。装備としての位置づけが定まっていないのが現状です。
ここから言えるのは、この装備を「子どもが車内に残っていたら検知して警報を出すもの」と考えないほうがいいということです。作動条件は車種ごとに違うので、実際の動きは取扱説明書で確認してください。
装備があっても、確認の習慣は要る
子どもの車内置き去りは、毎年のように事故が起きています。短時間でも車内の温度は急上昇し、子どもは大人より体温が上がりやすいためです。
そのうえで現実を書きます。今回確認した21車種のうち、後席の置き忘れを知らせる装備があったのは5車種です。大半の車には付いていません。そして付いている車でも、前述のとおり人を検知しているとは限りません。
つまり装備に頼れる状況ではないというのが結論です。降りるときに後席を目視する、荷物を後席に置く(取りに行くとき後席を見る)、といった習慣のほうが確実です。
とくに普段と違う人が送迎する日、普段と違うルートを通る日は注意が必要です。いつもの手順が崩れたときに抜けが起きます。
子育て世代に本当に効くのは、ベルトの非着用警告のほう
置き忘れ警告より現実的に役立つのは、実は全席シートベルト非着用警告です。
子どもは後席でベルトを外します。窮屈だから、体を動かしたいから、理由はさまざまです。運転席からは後ろが見えません。ミラーで気づける範囲にも限界があります。
この装備があれば、外れた時点で警告が出ます。走行中に気づけるかどうかは大きな差です。確認した21車種のうち20車種にあったので、近年の車ならほぼ期待できます。
逆に言えば、年式の古い中古車では付いていないことがあります。中古で検討している場合は、この装備の有無を確認する価値があります。ファミリーカーの選び方で挙げた判断軸に、もう1つ足してもいい項目です。
置き忘れ警告が付いている車の共通点
今回あったのはアルファード、RAV4、bZ4X、オデッセイ、CR-Vの5車種でした。並べると傾向が見えます。
いずれも上級クラスの車種です。アルファードは大型ミニバン、オデッセイも上級ミニバン、RAV4とCR-Vはミドルサイズ以上のSUV、bZ4Xは電気自動車です。価格帯の高い車から順に採用されている、という現状が読み取れます。
逆に言えば、ヤリスやアクア、カローラといった価格を抑えた車種には入っていません。子育て世代がよく選ぶ価格帯ほど、この装備からは遠いということになります。
ミニバンでも差が出ました。アルファードとオデッセイにはあり、ノア・ヴォクシー・シエンタの現行装備表には確認できませんでした。「ミニバンだから付いている」とは言えません。
よくある質問
Q. リヤシートリマインダーは、子どもがいると検知してくれますか?
装備表からは分かりません。マルチインフォメーションディスプレイの機能として記載されている車種があることから、表示による注意喚起が中心と考えられます。人感センサーによる検知装置と同じものだと考えないでください。作動条件は取扱説明書でご確認ください。
Q. 後付けできる装置はありますか?
市販の車内センサーやアラーム製品はあります。ただし本記事はメーカー公式の装備表をもとにしているため、市販品の性能については触れません。
Q. 中古で買う場合、どちらの装備を優先すべきですか?
ベルトの非着用警告です。日常的に作動する場面が多く、子どもが後席にいる時間そのものに効きます。ISOFIXの装備席とあわせて確認してください。
Q. 装備表に書いていなければ、絶対に付いていませんか?
断定はできません。主要装備一覧は代表的な装備を載せたもので、すべてを網羅しているとは限りません。気になる車種は販売店で確認してください。
※本記事の装備状況は、トヨタ・ホンダが公開している各車の主要装備一覧・主要諸元表の記載に基づいています。「記載を確認できず」は装備がないことを断定するものではありません。グレードや年次改良で変わることがあるため、購入前に最新のカタログと取扱説明書でご確認ください。
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