スライドドアの車はどれ?SUVに設定がない理由を、13車種の装備表で確認した

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「このSUV、スライドドアはあるのかな」と調べてこのページに来た方に、先に答えを書きます。SUVにスライドドアの設定はありません。カローラクロスにも、CX-80にも、レクサスNXにもありません。

今回、メーカー公式の主要装備一覧を13車種ぶん確認しました。スライドドアの記載があったのはミニバン3車種と軽スーパーハイト2車種だけで、SUV・ワゴン・ハッチバック・コンパクトには1台もありませんでした。この線引きには構造上の理由があります。

目次

スライドドアが付くのは、ミニバンと軽スーパーハイトだけ

スライドドアは「便利な装備」というより、車の作り方そのものに紐づいた構造です。あとから付けられるものではなく、ボディの設計段階で決まっています。

そのため「このSUVの上位グレードならスライドドアが選べるのでは」という探し方は成立しません。車種を選んだ時点で、ドアの開き方も決まります。

13車種の装備表で確認した一覧

各メーカーが公開している主要装備一覧に、スライドドアの記載があるかどうかを確認したものです。

車種 スライドドア ボディタイプと補足
トヨタ シエンタ あり ミニバン。装備表の記載は「デュアルパワースライドドア」で両側
トヨタ ヴォクシー あり ミニバン。同じくデュアル(両側)の記載
日産 セレナ あり ミニバン。ハンズフリー機能はグレードによる
スズキ スペーシア あり 軽スーパーハイト。装備表の記載は両側
ダイハツ タント あり 軽スーパーハイト。電動化はグレード・オプション次第
トヨタ カローラクロス なし SUV。装備表にスライドドアの記載なし
トヨタ bZ4X なし SUV。同上
マツダ CX-80 なし SUV。同上
レクサス NX なし SUV。同上
トヨタ クラウンスポーツ なし SUV。同上
マツダ MAZDA2 なし コンパクト。同上
トヨタ カローラツーリング なし ワゴン。同上
トヨタ カローラスポーツ なし ハッチバック。同上

「なし」と書いた8車種は、装備一覧のどこを探してもスライドドアという語が出てきませんでした。ボディタイプで完全に分かれていることが分かります。

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なぜSUVにスライドドアがないのか

理由はひとつではなく、構造上の制約がいくつも重なっています。

まずレールが必要だという点です。スライドドアは車体の側面に沿って後ろへ動くため、ドアを支えるレールをボディ側面に通す必要があります。ミニバンはリヤフェンダーの上あたりに、水平に近い長いレールを引ける形をしています。一方でSUVは、後輪まわりのフェンダーが外側に大きく張り出したデザインが主流で、まっすぐなレールを通すスペースを確保しにくくなります。

次に重量です。スライドドアはヒンジドアより重く、電動化すればモーターと配線も加わります。SUVはもともと車高と最低地上高のぶん重心が高いので、側面上部に重さを足すのは設計上うれしくありません。

そしてボディ剛性です。スライドドアの開口部は大きく、その分ボディのねじれに対する強さを別の場所で稼ぐ必要があります。悪路や段差での走行を想定するSUVは、この剛性を重視する設計になっています。

「カローラクロスにスライドドアは?」への答え

結論はありません。カローラクロスの主要装備一覧にスライドドアの記載はなく、全グレードがヒンジドア(手前に開く通常のドア)です。

もし「SUVの見た目や走りは欲しいけれど、子どもの乗り降りを考えるとスライドドアが欲しい」という状況であれば、その2つは両立しません。どちらを優先するかを決める必要があります。

スライドドアを優先するなら、選択肢はミニバンか軽スーパーハイトになります。ミニバンでもっとも小さい部類のシエンタなら、全長4,260mm・最小回転半径5.0mと、SUVと大きく変わらない扱いやすさです。

スライドドアの本当の利点は「隣の車にぶつけない」こと

スライドドアの利点は「大きく開くこと」だと思われがちですが、子育て世代にとって効いてくるのは別の点です。

横にはみ出さずに全開できることです。スーパーの駐車場で隣に車が停まっていても、ドアを最後まで開けられます。ヒンジドアだと隣との距離を測りながら半分だけ開けることになり、その狭い隙間からチャイルドシートに子どもを乗せることになります。

もうひとつが風で煽られないことです。ヒンジドアは強風の日に勢いよく開いてしまい、隣の車に当たることがあります。スライドドアはレール上を動くので、この事故が起きません。

そして子どもが自分で開けても危なくないことです。ヒンジドアを子どもが勢いよく開けると、隣の車や壁に当たります。スライドドアなら、そもそも横に飛び出しません。

スライドドアにも弱点はある

いいことばかりではありません。判断材料として弱点も書いておきます。

開閉に時間がかかります。電動スライドドアは、ボタンを押してから閉まりきるまで数秒かかります。雨の日に急いで乗り込みたいとき、この数秒は長く感じます。手で閉めれば早いのですが、電動機構を痛めないよう操作に気を使います。

重量が増えます。ドアと機構のぶん車重が増え、燃費にはマイナスに働きます。

故障したときの負担が大きくなります。モーター・センサー・レールと可動部品が多く、年数が経つと動きが渋くなることがあります。中古で買う場合は、両側とも実際に何度か開閉させて確認したほうがいい部分です。

よくある質問

Q. スライドドアが片側だけの車はありますか?
あります。軽スーパーハイトでは、電動スライドドアが助手席側のみ標準で、運転席側はオプションというグレード構成が一般的です。タントの装備表でも、左側と右側が別項目で価格設定されています。

Q. ミニバン以外でスライドドアの車はありますか?
軽スーパーハイト(タント・スペーシアなど)と、トールワゴン系のコンパクトカーにあります。今回確認した13車種では、その2カテゴリーとミニバンに限られました。

Q. スライドドアの車は立体駐車場に入りますか?
ほとんど入りません。スライドドアが付く車は背が高く、タントは全高1,755mm、スペーシアは1,785mmです。立体駐車場に入るファミリーカーはどれかで確認してください。

Q. シエンタのスライドドアは両側電動ですか?
装備表の記載は「デュアルパワースライドドア」で両側です。ハンズフリー機能が付くかどうかはグレードで変わります。シエンタは子育て世帯におすすめかで詳しく見ています。

※本記事のスライドドアの有無は、トヨタ・日産・マツダ・レクサス・スズキ・ダイハツが公開している各車の主要装備一覧の記載に基づいています。グレードや年次改良で変わることがあるため、購入前に最新のカタログでご確認ください。

全幅が広い車ほどドアの開き方が効いてきます。全幅で選ぶファミリーカー|1,700mmと1,850mm、2つの壁が効くのはどこかで公式の記載を並べて確認しています。

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