全幅で選ぶファミリーカー|1,700mmと1,850mm、2つの壁が効くのはどこか

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車のサイズで気にされるのは、たいてい全長です。しかし日常で困るのは、ほぼ全幅のほうです。すれ違い、車庫入れ、駐車場でドアを開けるとき——効いてくるのは横方向の余裕です。

メーカー公式の主要諸元表から25車種の全幅を集めました。もっとも狭い軽の1,475mmから、もっとも広いCX-60・CX-80の1,890mmまで、415mmの開きがあります。

目次

先に誤解を1つ解いておきます:3ナンバーでも税金は上がりません

「全幅1,700mmを超えると3ナンバーになって税金が高くなる」——これはよく聞く話ですが、現在は正しくありません。

自動車税(種別割)の金額を決めているのは総排気量です。ナンバーの3か5かで税額は変わりません。同じ1.8Lのエンジンなら、全幅1,695mmの車も1,795mmの車も自動車税は同額です。

5ナンバーと3ナンバーを分けているのは、全長4,700mm以下・全幅1,700mm以下・全高2,000mm以下・排気量2,000cc以下という4つの条件です。このうち1つでも超えれば3ナンバーになります。ただしそれは分類上の話であって、維持費に直結するものではありません。

ではなぜ全幅を気にするのか。物理的に困るからです。ここからが本題です。

25車種の全幅一覧

トヨタ・日産・マツダ・スズキ・ダイハツが公開している主要諸元表から抜き出し、狭い順に並べたものです。

車種 全幅 区分と目安
ダイハツ タント/スズキ スペーシア 1,475mm 軽自動車の規格上限
トヨタ シエンタ/アクア/ヤリス/ライズ、マツダ MAZDA2 1,695mm 5ナンバー枠に収まる
日産 セレナ(X系) 1,695mm 5ナンバー枠に収まる
日産 セレナ(ハイウェイスター) 1,715mm 5ナンバー枠を超える
トヨタ ノア/ヴォクシー 1,730mm
トヨタ カローラ/カローラツーリング 1,745mm
トヨタ ヤリスクロス 1,765mm
トヨタ プリウス、マツダ CX-3 1,780mm
トヨタ カローラスポーツ 1,790mm
マツダ CX-30/MAZDA3 1,795mm
トヨタ カローラクロス 1,825mm
マツダ CX-5 1,845mm 立体駐車場の幅制限が近い
トヨタ アルファード 1,850mm 立体駐車場の幅制限ちょうど
トヨタ RAV4/ハリアー 1,855mm 超える設備が多い
トヨタ bZ4X 1,860mm 超える設備が多い
トヨタ クラウンスポーツ 1,880mm 超える設備が多い
マツダ CX-60/CX-80 1,890mm 今回の最大

並べると、1,700mm付近と1,850mm付近に区切りがあることが見えてきます。

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1つ目の壁:1,700mm。狭い道と古い車庫で効く

1,700mm以下を維持している車は、いま多くありません。今回の25車種ではシエンタ、アクア、ヤリス、ライズ、MAZDA2、そしてセレナのX系だけでした。

この幅が効くのは、住宅街の細い道でのすれ違いと、古い戸建ての車庫です。とくに1980〜90年代に建てられた住宅の車庫は、当時の5ナンバー車を前提に設計されているものがあります。1,800mmを超える車を入れると、降りるときにドアが壁に当たります。

ここで注目したいのがセレナです。3列シートのミニバンでありながら、X系は全幅1,695mmで5ナンバー枠に収まっています。ただしハイウェイスターは1,715mmで超えます。同じセレナでもグレードで分かれるので、車庫の幅が厳しい場合はここを必ず確認してください。

2つ目の壁:1,850mm。立体駐車場で効く

機械式立体駐車場には、高さだけでなく幅の制限もあります。1,850mm前後に設定されていることが多く、これを超えると入れません。

今回の25車種では、RAV4とハリアーが1,855mm、bZ4Xが1,860mm、クラウンスポーツが1,880mm、CX-60とCX-80が1,890mm。いずれも制限を超えます。アルファードは1,850mmちょうどで、設備によっては断られます。

注意が必要なのは、高さの条件を満たしていても幅で落ちるケースです。たとえばクラウンスポーツは全高1,565mmで、高さ制限1,550mmをわずかに超えるうえに、幅でも1,880mm。二重に引っかかります。立体駐車場に入るファミリーカーはどれかで高さのほうも確認してください。

駐車枠に停めたあと、ドアが開くかどうか

制限値の話ではなく、日常の使い勝手の話をします。

一般的な駐車枠の幅は2.3〜2.5mです。ここに全幅1,890mmの車を停めると、左右に残るのは合計410〜610mm。片側だと20〜30cmです。

この隙間で、チャイルドシートに子どもを乗せられるでしょうか。大人が体を滑り込ませて、子どもを抱えて、シートに座らせて、ベルトを締める。20cmの隙間ではまず無理です。隣が空いているときしかできません。

一方、全幅1,695mmの車なら片側に30〜40cm残ります。それでも余裕とは言えませんが、動ける幅は明確に違います。

スライドドアが効いてくるのもここです。ヒンジドアは開けるために横方向のスペースが必要ですが、スライドドアなら横に張り出しません。全幅が広い車を選ぶなら、ドアの形も一緒に考えたほうがいいところです。

全幅が広い車の利点も書いておきます

狭ければいいという話ではありません。

後席に3人並べるかどうかは、全幅で決まります。全幅1,695mmの車の後席に大人3人を座らせるのは窮屈ですが、1,850mmあれば現実的になります。チャイルドシートを2台置いて、その横に大人が座れるかどうかも同じです。

また走行の安定感にも効きます。トレッド(左右のタイヤの間隔)が広いほど、カーブでの踏ん張りが効きます。高速道路を多く走る家庭では、この差が疲れ方に出ます。

つまり全幅は「停める・すれ違う」と「乗る・走る」のトレードオフです。どちらを優先するかは、住んでいる場所と使い方で決まります。

よくある質問

Q. 5ナンバーと3ナンバーで維持費は変わりますか?
自動車税は排気量で決まるため変わりません。ただし車両重量が重ければ重量税は上がります。ナンバーの区分そのものが費用を決めているわけではありません。

Q. 全幅は何mmまでなら安心ですか?
住環境によります。機械式立体駐車場を使うなら1,850mm未満、古い戸建ての車庫なら1,700mm台前半までが目安です。まず自宅と職場の駐車スペースを実測してから車種を絞ってください。

Q. ミニバンで全幅が狭い車はありますか?
セレナのX系が1,695mm、ノアとヴォクシーが1,730mm、シエンタが1,695mmです。3列シートを持ちながら1,700mm前後に収めた車は、この3車種に絞られます。

Q. ドアミラーを含めた幅はどれくらいですか?
諸元表の全幅にドアミラーは含まれません。実際にはさらに片側15〜20cm程度張り出します。車庫の幅がぎりぎりの場合は、ミラーをたたむ前提で考えてください。

※本記事の全幅は、トヨタ・日産・マツダ・スズキ・ダイハツが公開している各車の主要諸元表の記載に基づいています。グレードや年次改良で変わることがあるため、購入前に最新のカタログでご確認ください。駐車場の制限値は設備ごとに異なります。

全幅以外の判断軸もまとめて見たい場合は、ファミリーカーの選び方|公式諸元で決まる7つの判断軸と決める順番で公式の記載を並べて確認しています。

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