ZR-Vってどんな車?
ホンダの「ZR-V(ゼットアールブイ)」は、2023年4月に日本市場へ登場したミドルクラスのクロスオーバーSUVです。「異彩解放」をコンセプトに、これまでのホンダ車にはない個性的なエクステリアデザインと、「美しいデザインと意のままの走り」を高い次元で両立させた一台として開発されました。
ポジションとしては、コンパクトSUVの「ヴェゼル」と大型SUVの「CR-V」のちょうど間に位置しており、「ヴェゼルでは少し物足りないけれど、CR-Vは大きすぎる」と感じるご家庭にとって、まさに「ちょうどいい」サイズ感と性能を提供しています。シビックと同じプラットフォームをベースに、SUV向けに最適化した走りの質感の高さも評価されています。
2025年7月3日に一部改良が実施され、新たな外装塗料の採用によりボディの艶感が増し、耐久性が従来の1.5倍以上に向上。さらに2026年3月には全グレードをe:HEVに集約するマイナーチェンジが実施され、待望の新特別仕様車「クロスツーリング(CROSS TOURING)」も加わるなど、進化が続いています。
現在の価格帯はメーカー希望小売価格で約328万円〜458万円(グレードにより異なります)。ヴェゼルより上の価格帯ながら、その分パワートレインの余裕・上質な内装・高い走行性能が際立つ一台です。
ファミリーカーとしての魅力
①シビックと共通プラットフォームが生む「走りの質感」
ZR-Vの走りの気持ちよさは、シビックと同じプラットフォームを採用していることに由来しています。SUVのクラスでフットワークはトップレベルと評されており、コーナリングでのロールが少なく、ドライバーが意図した通りに車が動いてくれる一体感が魅力です。
「ファミリーカーなのに走りも楽しい!」と感じられるのは、毎日の運転をただの移動時間にせず、ドライブの時間そのものを楽しめるということ。送り迎えや買い物の帰り道でも、ハンドルを握るたびに「この車を選んでよかった」と思える体験をご家族にプレゼントしてくれます。
②スポーツe:HEVでV6 3L並みの力強い加速と燃費を両立
ZR-Vのe:HEVは「スポーツe:HEV」と呼ばれるシステムで、SUVクラスへの搭載はホンダとして初めての試みでした。2Lの直噴エンジンと2基のモーターを組み合わせたこのシステムは、V6 3Lエンジンに匹敵するモーターならではの力強い加速を実現しています。
アクセルを踏み込んだときの力強い加速は、ファミリーで荷物をたくさん積んだ状態でも余裕を感じられるレベル。高速道路の合流や急な上り坂でも「ちょっと踏めばスーッと出る」安心感は、ヴェゼルのe:HEVとは一段違う余裕感です。また、低速域ではモーターが主体となるため、街乗りでの静粛性も非常に高く、赤ちゃんや小さなお子さまが眠っているときも穏やかな車内環境を保てます。
2026年3月のマイナーチェンジで全グレードがe:HEV専用となり、よりクリーンで力強いドライブを全ユーザーが体験できるラインナップに整理されました。
③全グレードにAWDを設定。雪道・悪天候も安心
ZR-Vはe:HEVモデルに2WD(FF)と4WDの両方が設定されており、リアルタイムAWDを選ぶことができます。このAWDシステムは前後の駆動力配分を最適化し、雪道など滑りやすい路面でもタイヤがしっかりと路面を捉えられるよう設計されています。
「冬場のスキー・スノーボードに家族で行きたい」「雪の多い地域に住んでいるので雪道は安心したい」というご家庭にとって、AWDが選べるという選択肢があるのは大きな安心材料です。ヴェゼルと同様に悪天候対応力が高く、季節を問わず家族を安全に送り届けてくれます。
④Honda SENSINGが全車標準装備
ホンダの先進安全運転支援システム「Honda SENSING」が全グレードに標準装備されています。衝突軽減ブレーキ・歩行者・自転車検知・誤発進抑制・渋滞追従機能付きアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)・急アクセル抑制機能など、毎日の運転をしっかりサポートしてくれます。
急アクセル抑制機能はアクセルとブレーキの踏み間違いによる誤発進を防いでくれる機能で、お子さまを乗せているときの安心感をさらに高めてくれます。渋滞時の追従走行も自動でサポートしてくれるため、保育園の送り迎えや買い物帰りに渋滞にはまってしまった際のドライバーの疲れも軽減されます。
また、2026年3月のマイナーチェンジではGoogleビルトインが標準装備となり、Google マップ・Google アシスタント・Google Play ストアがナビディスプレーから直接利用できるようになりました。スマートフォンを接続しなくても音声でナビ操作ができるため、走行中の操作が減り安全性がさらに高まっています。
⑤上質な内装と充実した利便装備
ZR-Vの内装は左右に伸びやかに広がるインストルメントパネルを採用し、細部にわたる部品の仕立てを機能的で緻密な仕上げとしており、上質な室内空間を実現しています。電子制御パーキングブレーキ・オートブレーキホールド・左右独立温度コントロール式フルオートエアコン・パワーテールゲートなど、使いやすさを支える装備もしっかり揃っています。
上位グレードには本革シートやシートヒーター・BOSEプレミアムサウンドシステムも装備され、ミドルSUVとしての上質感は十分。長時間のドライブや週末の家族旅行でも、ドライバーはもちろん同乗者全員が心地よく過ごせる空間に仕上がっています。
グレードの選び方
2026年3月のマイナーチェンジで全グレードがe:HEV専用となり、ラインナップがよりシンプルに整理されました。
e:HEV Xはエントリーグレード。Honda SENSINGをはじめ、電子制御パーキングブレーキ・オートブレーキホールド・パワーテールゲートなど日常の使いやすさを支える装備が標準で揃っています。「ZR-Vのe:HEVに乗りたいが予算を抑えたい」というご家庭にぴったりの選択肢です。
e:HEV Zは装備と価格のバランスが最もよい人気グレード。Honda CONNECTディスプレー・ETC2.0車載器・本革シート・シートヒーター・BOSEプレミアムサウンドシステムなど、上質な快適装備が標準で揃っています。ファミリーに最もおすすめしやすいグレードです。
特別仕様車「BLACK STYLE(ブラックスタイル)」はXまたはZをベースに、ブラックを基調とした内外装が特徴の精悍な一台。ブラックアルミホイール・ブラックメッキのフロントグリルなど、引き締まった個性派スタイルを求めるご家庭におすすめです。
特別仕様車「クロスツーリング(CROSS TOURING)」は2026年3月のマイナーチェンジで新設定されたアウトドアテイストの仕様で、アクティブなご家庭に向けた特別な一台です。キャンプや自然の中でのお出かけが好きなファミリーには特に注目の選択肢となっています。
チャイルドシートとの相性は?
ZR-Vのリアシートにはイソフィックス(ISOFIX)アンカーが装備されており、ISOFIXタイプのチャイルドシートをしっかりと固定できます。
注意したい点としては、ZR-Vはクーペライクなデザインのため、リアルーフラインが後方に向かって下がっており、後席の頭上スペースはヴェゼルよりやや低めに感じる場合があります。とはいえ実用上は十分な頭上スペースが確保されており、チャイルドシートの設置や赤ちゃんの乗せ降ろしで大きな支障が出る場面は少ないでしょう。
ドアはヒンジドア(横開きドア)で、スライドドア車と比べると開口部の形状が異なります。駐車スペースに十分な余裕がある環境では問題なく使えますが、狭い駐車場ではお子さまの乗せ降ろし時に少し注意が必要です。チャイルドシートを2台横並びに設置する場合は、後席幅とシートのサイズを事前に確認しておくことをおすすめします。
気になるデメリットは?
正直にお伝えすると、いくつか気になる点もあります。
まず価格の高さです。2026年3月のマイナーチェンジでガソリン車が廃止されたことにより、エントリー価格がe:HEV専用ラインナップに統一されました。ヴェゼルのe:HEV Xと比べると大幅に高い価格帯になるため、購入前にしっかりと予算計画を立てておくことが重要です。諸費用込みで400万円を超えるケースも多く、維持費も3ナンバー普通車として念頭に置いておきましょう。
次にスライドドアがない点です。N-BOXやフリードのようなスライドドア車と比べると、小さなお子さまの乗せ降ろしや、子どもがドアを勢いよく開けて隣の車にぶつけてしまうリスクには注意が必要です。特に0〜2歳のお子さまがいるご家庭は、スライドドア車とじっくりと比較検討することをおすすめします。
また3列シートがないため、大家族やおじいちゃん・おばあちゃんと一緒に乗ることが多いご家庭には対応できません。お子さまが増えるご予定がある方は、フリードやステップワゴンも視野に入れながら検討されるとよいでしょう。
さらに、個性的なフロントデザインが好みを選ぶという声もオーナーからは聞かれます。他のホンダ車と大きく異なる存在感ある顔つきは好きな方にはたまらない個性ですが、万人受けするデザインではない点も正直にお伝えしておきます。
こんなご家庭におすすめ!
- ヴェゼルからひと回り上のSUVへのステップアップを検討しているご家庭
- 走りの楽しさと実用性を高い次元で両立したいパパ・ママ
- 雪の多い地域や冬のアウトドアも楽しみたいご家庭(AWDモデル)
- 上質な内装でプレミアムな移動空間を求めるご家庭
- お子さまが成長し、「そろそろ本格的なSUVに乗りたい」と考えているパパ・ママ
- 個性的なデザインで、乗るたびに気分が上がる車を求めている方
ファミリーカーとしての総評
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| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 室内の広さ・使い勝手 | ★★★★☆ | ミドルSUVとして十分な空間。ただしクーペラインで後席頭上はやや低め |
| 安全性能 | ★★★★★ | Honda SENSING全車標準装備、Googleビルトイン搭載でさらに充実 |
| 乗り降りのしやすさ | ★★★☆☆ | ヒンジドアで赤ちゃん連れはやや注意。スライドドアには劣る |
| 運転のしやすさ | ★★★★★ | スポーツe:HEVの力強さとSUV最高水準のフットワーク。乗るたびに楽しい |
| 維持費・コスパ | ★★★★★ | ホンダらしくない個性的な存在感。好きな人にはたまらない一台 |
総合評価
★★★★★
4.3 / 5.0点
ZR-Vは「走りの楽しさ・上質な内装・個性的なデザイン」という3つの軸で、同クラスSUVの中でも際立った個性を放っています。スライドドアがなく価格も高めなため、赤ちゃん連れのご家庭にとって万能な選択肢とは言えませんが、お子さまがある程度成長してからの「大人ファミリーのSUV」として考えると、その魅力はぐっと輝きます。
「ヴェゼルよりもう少し大きく、もう少し走りにこだわりたい」「上質な空間でファミリードライブを楽しみたい」そんなこだわりを持つパパ・ママにとって、ZR-Vはホンダラインナップの中でも特別な一台となるでしょう。2026年3月のマイナーチェンジでさらに磨きをかけた最新モデルを、ぜひ一度試乗してみてください。
*掲載価格・スペックは2026年3月時点の情報です。詳細はホンダ公式サイトまたは販売店でご確認ください。
