ランドクルーザー70ってどんな車?
トヨタの「ランドクルーザー70」は、1984年の誕生以来約40年にわたり、世界中の過酷な環境で「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」として信頼を勝ち取ってきた本格クロスカントリー4WDです。日本国内では2004年に一度販売終了となったものの、2014年に30周年記念で期間限定再販、そして2023年11月に約9年ぶりの再再販が実現。発売と同時に注文が殺到し、2026年3月現在も多くの販売店で受注停止が続くほどの人気を誇っています。
新車価格は480万円(AXグレード・1グレードのみ)。パワートレインは2.8L直列4気筒ディーゼルターボエンジン(204PS/500Nm)に6速ATを組み合わせ、駆動方式はパートタイム4WDを採用しています。ラダーフレーム構造、前後リジッドアクスル、電動デフロックなど、本格オフロード走行を前提とした堅牢な設計は、現代のSUVとは一線を画す「道具としての信頼性」を体現しています。
ボディサイズは全長4,890mm×全幅1,870mm×全高1,920mm。背面スペアタイヤ、丸目LEDヘッドランプ、力強いバンパーなど、往年のランクル70らしい無骨なスタイリングを現代に蘇らせた唯一無二の存在です。
ファミリーカーとしての魅力
①圧倒的な信頼性・耐久性、「何があっても帰ってこられる」安心感
ランドクルーザー70の最大の価値は、「信頼性・耐久性・悪路走破性」というランクルの普遍的な3つの柱です。ラダーフレーム構造と前後リジッドアクスルサスペンションによる堅牢な車体は、悪路や災害時でもびくともしない頼もしさがあります。
「家族を乗せているからこそ、何があっても安全に帰ってこなければならない」という想いは、すべての親に共通するもの。台風や大雪、地震などの自然災害が頻発する日本において、ランクル70の走破性は「万が一の備え」としての安心感を家族に提供してくれます。
②ディーゼルターボ500Nmの大トルクで、悪路も坂道も余裕
2.8Lディーゼルターボエンジンは最大トルク500Nmという圧倒的なトルクを低回転域から発生させます。急な登り坂やぬかるんだ道、雪道など、通常のSUVでは不安を感じるような状況でも力強く前進できる駆動力は、アウトドアアクティビティを本格的に楽しみたいファミリーにとって大きな魅力です。
パートタイム4WDシステムは、通常走行時はFR(後輪駆動)、悪路ではトランスファーレバーの操作で4WD Hi/4WD Loに切り替え可能。電動デフロックも搭載しており、本格的なオフロード走行にも対応できます。キャンプ場やスキー場へのアクセス道路で「他の車がスタックしている場面でもランクル70なら問題なく走れた」という声は、オーナーから数多く聞かれます。
③Toyota Safety Sense搭載で、本格クロカンでも安全装備は現代水準
再再販モデルではToyota Safety Senseが搭載され、衝突回避支援ブレーキやオートハイビーム、レーダークルーズコントロールなど、現代のSUVに求められる安全装備が標準で備わっています。「昔ながらの無骨なクロカン」というイメージとは裏腹に、安全性能は現代の水準にアップデートされているのは安心材料です。
④高い車高と見晴らしのよさ、運転席からの安心視界
全高1,920mmの高い着座位置は、前方の視界が非常に良好です。交差点や合流地点での安全確認がしやすく、見通しの悪い道路でも先の状況を早めに把握できます。お子さまを乗せて住宅街を走る際も、歩行者や自転車の発見がしやすいのは嬉しいポイントです。
⑤圧倒的リセール価値、「資産」として持てるファミリーカー
ランドクルーザー70のリセール価値は驚異的です。新車価格480万円に対し、中古車市場では走行距離の少ない車両が700〜800万円超で取引されるケースも珍しくありません。ファミリーカーとして数年乗った後の売却時にも高い価格が期待でき、「資産」としての価値を持つ稀有な車種です。家族のライフステージの変化に合わせた乗り換え計画が立てやすいのは、子育て世代にとっても大きなメリットです。
グレードをどう選ぶ?
ランドクルーザー70の国内仕様は「AX」の1グレードのみで、価格は480万円です。選択肢がシンプルなため、グレード選びで悩む必要がありません。
パワートレインは2.8Lディーゼルターボ+6速ATの1種類で、駆動方式はパートタイム4WDのみ。乗車定員は5名です。
オプションでは、アルミ製サイドステップやルーフレールなどが設定されています。アウトドア用途でルーフキャリアを活用したい場合はルーフレールの装着を検討しましょう。シンプルな装備構成のため、カスタムパーツや社外品で自分好みに仕上げていくのもランクル70の楽しみ方のひとつです。
チャイルドシートとの相性は?
ランドクルーザー70の後席にはISOFIXアンカーが装備されており、ISOFIX対応チャイルドシートの取り付けが可能です。
全高1,920mmの高い車体は、乗り込み口の地面からの高さも相応にあります。チャイルドシートへのお子さまの乗せ降ろしは、親御さんが腕を上げて持ち上げる動作が必要になる場面があります。サイドステップを装着すれば足がかりができ、お子さまの乗り降りやチャイルドシートへのアクセスがしやすくなります。
ヒンジドア(横開きドア)のためスライドドアはありません。ドアの開口部は広めですが、高い車体への乗降はスライドドア車やクロスオーバーSUVに比べるとハードルがあります。特に赤ちゃん期のお子さまを頻繁に乗せ降ろしするご家庭では、日常使いのしやすさについてよく検討しておきましょう。
後席の足元スペースはオフロード車としては標準的で、チャイルドシートを1台設置するぶんには問題なく使えます。2台の横並び設置も可能ですが、後席の横幅を事前に確認しておくことをおすすめします。
気になるデメリットは?
正直にお伝えすると、ファミリーカーとして使う場合にはいくつかの覚悟が必要です。
まず乗り心地は本格クロカンです。ラダーフレーム+前後リジッドアクスルの足回りは、舗装路での乗り心地が一般的なSUV(モノコック構造)と比べて硬めです。路面の凹凸や段差をダイレクトに感じやすく、赤ちゃんや小さなお子さまを乗せた際の揺れは気になるポイントです。ただし、「思っていたほど悪くない」という声もオーナーから多く聞かれます。
次に市街地での取り回しの悪さです。全長4,890mm・全幅1,870mmの大柄なボディに加え、最小回転半径はクロスカントリー車特有の大きさ。狭い住宅街やスーパーの駐車場では切り返しが必要な場面が多くなります。日常の買い物や送り迎えがメインのご家庭には、率直にいって向いていません。
また燃費性能は控えめです。ディーゼルターボとはいえ、WLTCモード燃費は10km/L前後。重いラダーフレーム車体のため、ハイブリッドSUVのような燃費は期待できません。軽油のため1Lあたりの燃料費はガソリンより安いですが、月々の燃料費は覚悟が必要です。
さらに乗降性の高さ(車高の高さ)が日常使いのハードルになります。全高1,920mmの車体は、小さなお子さまやお年寄りが自力で乗り降りするには高すぎる場面があります。サイドステップの装着は事実上必須と考えたほうがよいでしょう。
加えて受注停止が続いているのも現実的な課題です。2026年3月現在、多くの販売店で新車の注文を受け付けておらず、すぐに購入できる状態ではありません。中古車市場では新車価格を大幅に上回るプレミア価格となっているケースがほとんどです。
こんなご家庭におすすめ!
- キャンプ・釣り・登山・スキーなど、本格的なアウトドアアクティビティを家族で楽しみたいご家庭
- 積雪地域や山間部にお住まいで、過酷な路面状況でも安心して走れる車が必要な方
- 「ランクル70に乗りたい」というパパの夢を、家族の理解を得て叶えたい方
- 日常の快適さよりも「信頼性・耐久性・走破性」を最優先に考えるご家庭
- リセール価値の高さを重視し、将来の乗り換え時にも資産性を確保したい方
ファミリーカーとしての総評
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| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 室内の広さ・使い勝手 | ★★★☆☆ | 5人乗りで後席・荷室は実用的。ただしミニバンや通常SUVほどの快適装備はない |
| 安全性能 | ★★★★☆ | Toyota Safety Sense搭載で現代水準。ラダーフレームの堅牢さも安心材料 |
| 乗り降りのしやすさ | ★★☆☆☆ | 全高1,920mmは子連れにはハードル高い。サイドステップ装着が事実上必須 |
| 運転のしやすさ | ★★☆☆☆ | 市街地の取り回しは苦手。高い視界は◎だが、最小回転半径の大きさは日常使いに不向き |
| 維持費・コスパ | ★★★☆☆ | 480万円は本格クロカンとして良心的。燃費は控えめだが、圧倒的リセール価値でカバー |
総合評価
★★★★★
3.3 / 5.0点
ランドクルーザー70は、率直にいって「万人向けのファミリーカー」ではありません。乗り心地、取り回し、乗降性、燃費など、日常の快適性においてはクロスオーバーSUVやミニバンに大きく劣ります。
しかし、「信頼性・耐久性・悪路走破性」というランクル70だけが持つ絶対的な価値は、他のどのSUVにも代えられないものです。「家族でキャンプに行くとき、どんな道でも安心して走れる」「大雪の日も、災害の時も、この車なら家族を守れる」そんな安心感は、ランクル70だからこそ得られるものです。
「日常の快適さ」よりも「いざという時の頼もしさ」を、そして「道具としての信頼性」と「唯一無二のスタイル」を求めるパパ・ママにとって、ランクル70は一生ものの相棒となってくれる一台です。ただし、日常の送迎や買い物がメインの使い方には別の車種をおすすめします。
*掲載価格・スペックは2026年3月時点の情報です。詳細はトヨタ公式サイトまたは販売店でご確認ください。

