三菱 トライトンってどんな車?
三菱の「トライトン」は、世界約150カ国で販売される三菱の主力1トンピックアップトラックです。タイで生産される現行型は2023年に世界デビューし、2024年2月に約12年ぶりの日本再導入が実現。2026年1月22日には一部改良も行われました。ラリーで鍛えられた血統を持ち、国内で正規に新車購入できる数少ない本格ピックアップとして、アウトドア層を中心に熱い支持を集めています。
日本仕様は5人乗りのダブルキャブのみで、パワートレインは2.4L直列4気筒クリーンディーゼルターボ(150kW/204PS・470N・m)+6速AT。駆動システムは路面状況に応じて駆動方式を選べる三菱伝統の「スーパーセレクト4WD-II」で、雪道から本格オフロード、けん引まで幅広くこなします。予防安全装備として衝突被害軽減ブレーキ等の三菱e-Assistも搭載しています。
グレードは「GSR」のモノグレード構成で、価格は551万8,700円から。ボディサイズは全長5,320mm×全幅1,865mm×全高1,815mm、乗車定員は5名です。燃費はWLTCモード11.3km/L。登録は1ナンバー(貨物)となるため、車検は毎年(初回2年)、高速料金は中型車区分という特殊事情も、この車を選ぶ上での重要ポイントです。
ファミリーカーとしての魅力
①荷台=無限の積載自由度、濡れ物・泥物・長尺物を「車内に入れずに」運べる唯一の構造
ピックアップ最大の価値が、人の空間と完全に分離された荷台です。濡れたテント、泥だらけの自転車、灯油タンク、釣り道具、DIYの木材——「車内に積みたくないもの」をすべて引き受けます。
この構造の価値は「臭い」と「湿気」を車内に持ち込まない点にも及びます。海で使った道具や釣った魚、雨に濡れたキャンプ道具をSUVの荷室に積むと、その匂いと湿気は数日車内に残ります。子どもを乗せる空間だけに、ここを分離できる意味は大きくなります。
汚れ物と家族の空間を物理的に分けられる構造は、SUVやミニバンでは逆立ちしても真似できません。アウトドアが本気のご家庭ほど、この自由度は革命的に効きます。
②ダブルキャブの後席は「普通に乗用車」、子ども2人+夫婦の日常が成立する居住性
日本仕様のダブルキャブは後席にもしっかりした空間があり、リクライニング角も確保された乗用ライクな作り。子ども2人+夫婦の4人家族の日常使いが普通に成立します。
後席用エアコン吹き出し口やUSBポートなど快適装備も揃い、「トラックだから後席は我慢」という時代の車ではありません。後席エアコン吹き出し口は、チャイルドシートに固定された子どもが自分で温度調整できないことを考えると実利のある装備です。見た目のワイルドさとのギャップに驚くはずです。
③2.4Lディーゼルターボ(470N・m)+軽油、長距離移動の燃料コストは同クラスガソリン車より安い
470N・mの大トルクは高速巡航が得意で、家族+荷物満載でも余裕の走り。燃料が軽油であることも家計に効きます。
実額で見てみましょう。WLTCモード11.3km/L、年間8,000km走行、軽油150円/L(レギュラーより1Lあたり20円前後安い)で試算すると燃料費は年約10万6,000円。同クラスの2.4LガソリンSUV(10km/L・レギュラー170円/L)なら年約13万6,000円かかるため、燃料費だけで年間約3万円の差が生まれます。「大きいのに意外と経済的」がディーゼルピックアップの隠れた美点です。ただし後述する1ナンバーの維持費には注意が必要です。
④スーパーセレクト4WD-II+ヒルディセントコントロール、雪道・悪路・けん引まで全対応
三菱伝統のスーパーセレクト4WD-IIは、舗装路用のフルタイム4WDから悪路用の直結4WD+ローギアまで選択可能です。一般的なパートタイム4WDは乾いた舗装路で4WDにすると走行に支障が出ますが、スーパーセレクト4WD-IIは舗装路でも4WDのまま走れるモードを持つのが特徴。雨の高速道路など「滑るかもしれない舗装路」で4WDの安定性を使えるのは、家族を乗せるうえで実用的な強みです。
雪国の日常からキャンプ場のダート、ボートやキャンピングトレーラーのけん引まで、家族の遊びの土台として盤石。ラリーアートがダカールラリーで鍛える血統は伊達ではなく、「どこへでも行けて、何でも引ける」性能は国内販売車で随一のレベルです。
⑤圧倒的な存在感と希少性、「パパの夢」と「家族の実用」が両立する数少ない選択肢
全長5.3mの堂々たる体躯とピックアップならではの佇まいは、所有満足度が非常に高く、子どもにも「うちの車かっこいい」と大人気。国内での希少性も相まって、週末が待ち遠しくなる一台です。
リセールバリューも輸出需要に支えられ堅調な傾向です。ピックアップトラックは東南アジアやアフリカで需要が高く、日本の中古車が海外へ流れる構造があるため、国内市場だけで価格が決まりません。「夢を買ったのに、出口でも損しにくい」という現実的な側面も持ち合わせています。ただし売却時は業者によって評価が大きく分かれるため、複数社の査定を比べることが特に重要な車種です。
グレードをどう選ぶ?
現行トライトンはGSRのモノグレード(551万8,700円〜)なので、迷うのはボディカラーと純正アクセサリーだけです。装備は専用の内外装加飾や快適装備を含めて最初から充実しています。
購入時はベッドライナー(荷台保護)とトノカバーまたはキャノピー(荷台の蓋)を最初に装着するのが定石。荷台の使い勝手と防犯性が大きく変わります。荷台は施錠できない空間なので、貴重品を積む可能性があるならキャノピーはほぼ必須と考えてください。
1ナンバーの維持費(毎年車検・高速中型区分)と自宅駐車場の寸法(全長5.32m!)は、契約前に必ず確認してください。
在庫から探す場合
条件を伝えると、非公開の在庫も含めて候補が出ます。
年式・装備・予算を伝えて探してもらう形です。自分で探すより、条件に合う個体が見つかりやすくなります。
在庫を探してもらう無料/依頼後に販売店から電話連絡が入りますチャイルドシートとの相性は?
トライトンの後席にはISOFIX対応チャイルドシート固定機構が装備され、確実な固定が可能です。ダブルキャブの後席ドアは大きく開き、装着作業自体は問題なく行えます。
課題は着座位置の高さです。全高1,815mmという数字が示すとおり、乗車位置は一般的なSUVよりさらに高く、チャイルドシートへの乗せ降ろしは抱き上げ量がかなり大きくなります。毎日の送迎ではサイドステップがほぼ必須で、小柄な方のワンオペ送迎にはかなりの体力を要します。10kg以上の子どもを胸の高さまで持ち上げる動作を1日数回繰り返すことになるため、腰に不安のある方は実車で試してから判断してください。
一方、よじ登りが楽しい年頃(4歳〜)の子どもにとっては、乗車そのものがアトラクション。チャイルドシート卒業後の家族適性はぐっと上がる車です。
気になるデメリットは?
トライトンをファミリーカーとして正直にお伝えする点があります。
全長5,320mmの駐車問題が最大の壁です。一般的な駐車枠(5m)からはみ出すことが多く、立体駐車場はほぼ全滅。自宅・職場・よく行く施設の駐車環境の確認は契約の絶対条件です。
1ナンバー登録の維持費構造には注意が必要です。自動車税は貨物区分で年16,000円程度と乗用3ナンバー(2.4Lなら年43,500円)より安く見えますが、車検が毎年(初回2年)という条件が重くのしかかります。10年間の車検回数は9回で、乗用車の4回より5回多い計算。車検1回の費用を10万円とすると10年で約50万円の差になり、年2万7,500円の自動車税の優位では到底埋まりません。長く乗るほど不利になる構造だと理解しておいてください。
高速料金は中型車区分で、普通車より約2割高くなります。長距離の帰省や旅行が多いご家庭は、年間の高速代も試算に入れてください。
荷台は施錠された空間ではないため、貴重品や濡らしたくない荷物には不向きです。キャノピー等での対策が現実解です。
取り回しには慣れが必要で、運転が苦手な方の日常使いにはおすすめしにくいのが正直なところです。
トヨタ ハイラックスとの違いは?ファミリー目線で比較
国内正規ピックアップのライバルが、トヨタ「ハイラックス」です。国内ピックアップ市場を長く支えてきた王者との比較は避けて通れません。
トライトンの強みは設計の新しさとスーパーセレクト4WD-IIの多様性、そして動力性能(204PS/470N・m)です。世代の新しいプラットフォームによる乗り心地と安全装備、舗装路でも使えるフルタイム4WDモードの存在は、家族使いでの快適性に直結します。雨天の高速道路で4WDの安定性を使えるかどうかは、家族を乗せる場面で意味を持ちます。
ハイラックスの強みは国内ピックアップとしての実績と流通量、トヨタ販売網の安心感、そして中古市場の厚みです。アクセサリーやカスタムパーツの選択肢の多さも先行者ならでは。
「新しさ・4WDシステム・動力で選ぶならトライトン、実績と販売網の安心で選ぶならハイラックス」が目安です。どちらも1ナンバーの維持事情は共通なので、まずは家族と駐車場がピックアップを受け入れられるかの確認から始めましょう。
こんなご家庭におすすめ!
- キャンプ・釣り・マリンスポーツ・スノーボードなど、道具が多く汚れる遊びが生活の中心のご家庭。
- 濡れ物・臭いの出る荷物を「車内に入れずに」運びたいご家庭。
- ボートやキャンピングトレーラーのけん引を視野に入れているご家庭。
- 郊外・地方在住で駐車環境に余裕があり、全長5.3mを受け入れられるご家庭。
- 5年程度で乗り換える前提の方(長期保有では毎年車検が10年で約50万円の差になります)。
- 「人と違う、家族で誇れる一台」に価値を感じる、車好きのパパ・ママ。
ファミリーカーとしての総評
※表は横にスクロールできます ↔️
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 室内の広さ・使い勝手 | ★★★★☆ | ダブルキャブ後席は乗用ライクで4人家族が成立。臭いや湿気を車内に入れない荷台は他車にない武器。 |
| 安全性能 | ★★★★☆ | 三菱e-Assist搭載で予防安全は現代水準。堅牢なフレームボディの安心感も大きい。 |
| 乗り降りのしやすさ | ★★☆☆☆ | 全高1,815mmで抱き上げ量は大。サイドステップ前提で、小柄な方のワンオペ送迎には体力が要る。 |
| 運転のしやすさ | ★★☆☆☆ | 全長5.32m×全幅1.865mの取り回しは慣れが必要。駐車環境の制約がこの車最大のハードル。 |
| 維持費・コスパ | ★★★☆☆ | 燃料費は年約10.6万円で同クラスガソリン比 年3万円安。ただし毎年車検が10年で約50万円の差に。 |
総合評価
★★★★★
3.6 / 5.0点
三菱 トライトンは、「人と荷物を完全分離できる荷台の積載自由度」「乗用ライクなダブルキャブ後席による家族の日常対応力」「2.4Lディーゼル+スーパーセレクト4WD-IIの全地形性能」「希少性と輸出需要に支えられた堅調なリセール」という4つの強みを持つ、”遊びが本気の家族”のための唯一級の選択肢です。
検討時に見落とされやすいのが1ナンバー登録の毎年車検です。自動車税が安いという分かりやすいメリットの陰で、車検回数は10年で5回多くなり、約50万円の差になります。燃料費で年3万円得をしても、車検で年5万円失う——この構造を理解したうえで、保有期間を含めて計算することをおすすめします。
全長5.3mの駐車問題と1ナンバーの維持事情という明確なハードルを越えられるご家庭は限られますが、越えた先にはミニバンでは絶対に得られない家族体験が待っています。デリカD:5(レビュー済み)と並べて、わが家の遊び方で選んでください。
*掲載価格・スペックは2026年8月時点の三菱自動車公式サイト情報です。燃料費の試算は年間走行8,000km・軽油150円/Lを前提とした概算で、車検費用は1回10万円と仮定しています。詳細は三菱自動車公式サイトまたは販売店でご確認ください。
読み終えたあとに
候補が決まったら、実際の在庫を見ると具体的になります。
年式・装備・予算を伝えると、非公開の在庫も含めて候補を出してもらえます。
在庫を探してもらう無料/依頼後に販売店から電話連絡が入りますこの車以外の候補も、条件から絞り込めます
全高・全幅・乗車人数・ボディタイプを選ぶだけで、メーカー公式の諸元で確認した125車種のなかから候補が出ます。登録も入力も不要です。
次に読みたい記事
トライトンへの乗り換えを検討するなら、本体価格や値引き額と同じくらい、いま乗っている車をいくらで手放せるかが実質負担を左右します。ディーラーが出した下取り額をそのまま受け入れる前に、次の2記事で判断材料を揃えておきましょう。
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