三菱 eKクロスEVってどんな車?
三菱自動車の「eKクロスEV」は、2022年6月16日に発売された三菱初の量産軽EVです。日産と三菱が共同開発したモデルで、日産「サクラ」が姉妹車にあたります。eKクロスをベースにしたSUVテイストのダイナミックシールドフロントデザインと、EVならではの先進的なインテリアが特徴で、2022-2023日本カーオブザイヤーを日産サクラとともに受賞しました。軽自動車が日本カーオブザイヤーを受賞したのはこれが史上初です。
最新改良は2024年5月16日で、MITSUBISHI CONNECT強化(リモートドアロック/アンロック追加)・エマージェンシーストップシグナルシステム追加・Pグレードへのマルチアラウンドモニター標準化・Gグレードへのリヤビューモニター付ルームミラー標準化・新色追加が実施されています。
グレードはG・Pの2グレード(全車2WD)です。三菱公式サイトの価格はG 約257万円・P 約313万円で、CEV補助金を活用すると実質的な購入額はGで約200万円台前半からとなります(補助金額は制度変更により変動します。購入時点の最新制度をご確認ください)。ボディサイズは全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,655mm(2WD)、ホイールベース2,495mm、4人乗りです。バッテリー容量は20kWh、WLTCモード航続距離180kmです。
ファミリーカーとしての魅力
①V2H・V2L対応で電気を「使う」・「貯める」・「備える」、停電時の家庭電源・アウトドアの電源として家族の安心を守る
eKクロスEVの軽EV最大の強みのひとつが、V2H(Vehicle to Home:車から住宅への給電)とV2L(Vehicle to Load:車から電気機器への給電)への対応です。V2H機器(別売)を導入すれば、太陽光発電で余った電力をeKクロスEVに蓄えたり、停電時に車のバッテリーから自宅へ電力を供給したりすることができます。地震・台風など災害時の家庭電源確保という「もしもの備え」として、子育て家族にとって20kWhのバッテリーは頼もしい存在です。
V2L(別売の外部給電装置を急速充電ポートに接続)では、キャンプ・車中泊・アウトドアイベントで電気ケトル・電気毛布・スマートフォン充電など様々な電気機器を使用できます。「車でそのまま電源が確保できる」利便性は、子どもと出かけるファミリーキャンプや週末のアウトドア活動で実感できる三菱ならではの独自の強みです。
②EV走行の静粛性・最大トルク195Nmの滑らかな加速・ワンペダル操作、後席に乗る家族が快適な上質な走り
eKクロスEVはエンジンを持たないBEV(バッテリー電気自動車)のため、走行中のエンジン音・振動がゼロです。モーター音だけの圧倒的な静粛性は後席に乗る子どもが眠りやすい環境をつくり、乗り物酔いしやすいお子さんにとっても快適な移動体験になります。
最大トルク195Nmという数値は、同クラスガソリン自然吸気エンジンの約3倍・ターボエンジンの約2倍に相当します。発進時からトルクが即座に立ち上がるモーター特性により、信号スタート・合流・坂道発進が滑らかでストレスフリーです。さらにイノベーティブペダルオペレーションモード(ワンペダル走行)を使えばアクセルペダル操作だけで加減速をコントロールでき、頻繁な信号停車の多い市街地走行での運転負荷を軽減できます。
③日本カーオブザイヤー受賞・e-Assist全車標準・スマートフォン連携MITSUBISHI CONNECT、安全性と先進性が証明された軽EV
2022-2023日本カーオブザイヤーを史上初の軽自動車として受賞した実績は、専門家・評論家から幅広く評価された証明です。2024年の改良ではエマージェンシーストップシグナルシステムが追加されており、急ブレーキ時やABS作動時にストップランプが高速点滅して後続車に注意を促す機能が加わりました。
全グレードに三菱e-Assistが標準装備されており、衝突被害軽減ブレーキ(歩行者・自転車運転者検知付き)・踏み間違い衝突防止アシスト・車線逸脱警報システム&防止支援機能などが含まれます。スマートフォンアプリ「MITSUBISHI CONNECT」(初度登録から5年間無料)では、リモートエアコン・リモートドアロック/アンロック・カーファインダー(駐車位置確認)・マイカーステータスチェックなどが利用でき、日常の利便性と安心感を高めます。
④月々の電気代がガソリン代より安い経済性・自宅充電でほぼ毎日満充電スタート、日常の近距離送迎コストを大幅に削減
三菱の調査によると、軽自動車・コンパクトカーユーザーの約8割が1日あたりの走行距離50km以下とのことで、WLTCモード航続距離180kmは大半のユーザーが2日間充電せずに走行できる水準です。保育園・幼稚園の送迎・近所の買い物・週末の小さなお出かけという日常使いを主体とするご家庭では、実用的な電気自動車として使いやすいスペックです。
自宅にAC200V普通充電設備を設置すれば夜間に充電してほぼ毎朝満充電でスタートでき、電気代はガソリン代より安く抑えられる場合が多く、月々のランニングコストを削減できます。急速充電(CHAdeMO規格)にも対応しており、外出先での充電スポットも利用可能です。
⑤SUVテイストの個性的なデザイン・上質な室内・2トーン5色+モノトーン5色の全10色、eKクロスのDNAをEVで表現
eKクロスEVの外観はガソリン車eKクロスとほぼ同じSUVテイストのダイナミックシールドデザインを採用しており、「EVだから地味になる」という印象と一線を画す力強いスタイリングが特徴です。2024年改良で新色が追加され、現在は2トーン5色・モノトーン5色の全10色展開で、個性的なカラーバリエーションの中から好みのスタイルを選べます。
室内はEVらしい先進的なインテリアデザインで、フラットなディスプレイ・タッチパネル式エアコン・統一感のあるコックピットが上質な空間を演出しています。Pグレードにはシートヒーター(前後席)・ステアリングヒーター・マルチアラウンドモニターが標準装備されており、寒い日の乗り込みと周囲確認の両面で快適性と安全性を高めています。
グレードをどう選ぶ?
eKクロスEVはシンプルなG・P の2グレード(全車2WD)です。
G グレードはe-Assist標準・リヤビューモニター付ルームミラー・MITSUBISHI CONNECTがパッケージオプションで選択可能なエントリーグレードです。EVの基本性能(静粛性・V2H/V2L・ワンペダル走行)を手頃な価格で体験したいご家庭向けです。
P グレードはマルチアラウンドモニター・シートヒーター(前後)・ステアリングヒーター・デジタルルームミラー・MITSUBISHI CONNECT(標準装備)など快適安全装備が充実した上位グレードです。「EVの良さをフルに楽しみたい」「V2H/V2Lに加えてリモートエアコンや高い装備水準も欲しい」ご家庭向けです。
チャイルドシートとの相性は?
eKクロスEVの後席にはISOFIX対応チャイルドシート固定ロアアンカレッジとトップテザーアンカレッジが装備されており、ISOFIX対応チャイルドシートの正しい固定が可能です。
全高1,655mmのハイトワゴンタイプのボディで後席への乗り込みがしやすく、チャイルドシートへのアクセスも比較的楽です。ただしヒンジドア(通常の開き戸)のため、スライドドア車と比べて駐車場の隣の車との距離が狭い場合はドア開閉に制約が生じます。日常的に広い駐車スペースを利用できる環境であれば問題なく使えますが、狭い駐車場が多い場合はスライドドア車の方が乗せ降ろしの利便性で優れます。
気になるデメリットは?
eKクロスEVをファミリーカーとして正直にお伝えする点があります。
自宅充電設備が必要な点が最大のハードルです。マンション・集合住宅で充電設備がない場合、購入前に充電環境の整備が可能かどうかを確認することが不可欠です。公共の急速充電スポットのみでの運用では、充電待ち・充電スポット探しが日常的なストレスになる可能性があります。自宅に200V充電設備を設置できる戸建て住宅のご家庭が最も快適に使えます。
WLTCモード航続距離180kmは冬季や高速連続走行では大幅に低下します。寒冷地・厳冬期では実質航続距離が大きく短くなる場合があり(ユーザーの実測では暖房使用時に100〜130km台に低下するケースも報告されています)、遠距離帰省・旅行では充電計画が必要です。日常の近距離移動が主体でなければ、航続距離の制約をしっかり把握したうえで購入を検討してください。
またスライドドアがないため、eKスペースやデリカミニのようなスライドドア車と比べて、狭い駐車場でのチャイルドシートの乗せ降ろしに不便を感じる場面があります。
さらに車両価格が約257万円〜(補助金前)と軽自動車の中では高め(補助金後で実質約200万円〜)で、V2H機器の別途設置費用も考慮が必要です。
日産サクラとの違いは?ファミリー目線で比較
eKクロスEVの姉妹車である日産「サクラ」との違いを整理します。基本的なプラットフォーム・バッテリー・モーターはほぼ共通ですが、デザインと一部装備が異なります。
eKクロスEVは三菱ダイナミックシールドのSUVテイストの力強い外観・V2H/V2L対応・MITSUBISHI CONNECTのコネクトサービスが特徴です。サクラは日産らしい丸みのある可愛らしいデザインと日産独自のプロパイロット(高速道路運転支援)が特徴で、一部グレードでSOSコールも設定されています。三菱販売店でのサービスを希望する場合はeKクロスEV、日産販売店を希望する場合はサクラという選択が現実的です。
こんなご家庭におすすめ!
- 自宅に200V充電設備を設置できる戸建て住宅のご家庭で、毎日の近距離送迎・買い物の電気代節約と、停電時の家庭電源確保(V2H)も実現したいご家庭。
- EV走行の圧倒的な静粛性で、後席の子どもが快適な移動を体験させたいご家庭。
- キャンプ・アウトドアでV2Lを活用して車から電気を取り出し、電気ケトル・スマートフォン等を使いたいご家庭。
- 三菱ブランドのSUVテイストデザインと先進的なEV技術を、日常の軽自動車として楽しみたいご家庭。
- 日本カーオブザイヤー受賞の信頼性と三菱e-Assistの安全装備で、EV初挑戦の一台を検討しているご家庭。
ファミリーカーとしての総評
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| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 室内の広さ・使い勝手 | ★★★☆☆ | 4人乗り軽ハイトワゴンとして室内は実用的。V2H/V2Lで電源活用の幅が広がるが、スライドドアなしで荷物の多い日常使いには制約がある。 |
| 安全性能 | ★★★★☆ | e-Assist全車標準・エマージェンシーストップシグナル追加・日本カーオブザイヤー受賞で証明された安全性。MITSUBISHI CONNECTのリモート操作も充実。 |
| 乗り降りのしやすさ | ★★★☆☆ | スライドドアなしのヒンジドア。全高1,655mmで乗り込みやすいが、狭い駐車場でのチャイルドシート乗せ降ろしは制約が生じる場合がある。 |
| 運転のしやすさ | ★★★★☆ | 最大トルク195Nmの滑らかな加速・EVの静粛性・ワンペダル走行で市街地走行が快適。ただし航続距離180kmの制約と充電インフラへの依存に注意が必要。 |
| 維持費・コスパ | ★★★☆☆ | 補助金活用で実質約200万円台前半〜。電気代はガソリン代より安いが、V2H機器設置費用も考慮を。自宅充電環境が整えば長期的なランニングコストは抑えやすい。 |
総合評価
★★★★★
3.5 / 5.0点
三菱 eKクロスEVは、「V2H/V2L対応による停電備えとアウトドア電源の独自価値」「EV走行の静粛性と最大トルク195Nmの滑らかな加速」「日本カーオブザイヤー受賞の信頼性」という三菱軽EVならではの強みを持ちながら、「自宅充電設備が必要」「冬季の航続距離低下」「スライドドアなし」「補助金前で約257万円〜の車両価格」という軽自動車として明確なハードルも持ちます。自宅充電環境が整った戸建て住宅で主に近距離移動を主体とするご家庭、V2Hで災害時の備えも兼ねたいご家庭にとっては、満足度の高い選択です。しかし充電インフラが整っていない生活環境では、日常の不便さが積み重なる可能性があります。購入前に「BEVを我が家のメインカーとして使い切れるか」を慎重に検討することをおすすめします。
*掲載価格・スペックは2026年3月時点の情報です。詳細は三菱公式サイトまたは販売店でご確認ください。

