三菱 タウンボックスってどんな車?
三菱自動車の「タウンボックス(TOWNBOX)」は、三菱のミニキャブバンをベースとした軽乗用ワゴンです。スズキ「エブリイワゴン」と姉妹車の関係にあるOEM供給モデルで、商用軽バンの頑丈な車体と広大な室内空間をそのままに、乗用車としての快適性を加えた軽自動車の中で特異な存在です。
最新改良は2024年3月14日で、三菱自動車公式ニュースリリースによると全グレードのトランスミッションを4ATからCVTへ変更して燃費を向上させたほか、電子制御4WD(4WD AUTO・4WD LOCK・2WDの3モード選択)と「ぬかるみ脱出アシスト」を採用し走破性を強化。さらに全グレードにLEDヘッドライト・助手席シートバックテーブル・電動格納式リモコンドアミラー・本革巻ステアリングホイールを標準装備として装備充実が図られました。
グレードはG・Gスペシャルの2グレードで、各グレードに2WD・4WDが選択可能です。三菱公式サイトの価格はG(2WD)が約192万円から、Gスペシャル(4WD)が約215万円となっています。ボディサイズは全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,910mm(ハイルーフ)、ホイールベース2,430mm、4人乗りです。
ファミリーカーとしての魅力
①室内長2,240mm・室内幅1,355mm・室内高1,420mmのクラストップ室内空間、軽自動車の中でも別格の広さ
タウンボックス最大の強みは、商用軽バンのボディを活かした圧倒的な室内空間です。室内長2,240mm・室内幅1,355mm・室内高1,420mmはいずれも軽自動車クラストップ水準で、大人4人が乗っても頭上・足元ともにゆとりがあります。全高1,910mmのハイルーフボディにより、大人でも車内で立ち上がれるほどの天井高を実現しており、着替え・子どものオムツ替え・荷物の整理などを車内で行いやすい実用性は他の軽自動車には真似できないレベルです。
ベビーカー・大型スーツケース・キャンプ道具・アウトドア用品など大きな荷物をそのまま積み込める荷室の広さは、「軽自動車では入らないと思っていた荷物が入る」という体験を可能にします。多彩なシートアレンジにより、後席を畳めばさらに広大な荷室スペースが生まれ、ファミリーキャンプ・登山・サーフィン・自転車の積載など様々なアウトドア用途に対応できます。
②全車ターボエンジン搭載・CVT・電子制御4WDで、積載時・悪路・雪道でも力強く走れる
タウンボックスは全グレードにターボエンジン(659cc 直3 DOHC インタークーラーターボ 64ps)が搭載されており、荷物を多く積んだ状態・坂道・高速道路での合流でも余裕ある走りを発揮します。軽自動車では重い積載時にNAエンジンでは走りが重くなりがちですが、タウンボックスはターボの加速感により大人4名乗車+荷物満載でも安心できます。
2024年3月の改良でCVTを採用したことにより従来の4AT比で燃費が向上し、滑らかな加速特性も実現しています。4WD車は路面状況に応じて4WD AUTO(自動制御)・4WD LOCK(完全4WD固定)・2WDの3モードを選択できる電子制御4WDを採用しており、雪道・悪路・ぬかるみでの走行安定性を確保しています。さらに新採用のぬかるみ脱出アシストにより、砂地・ぬかるみでの脱出性能も向上しています。
③電動スライドドア(G:助手席側・Gスペシャル:両側)とオートステップで、大きなボディでも乗り降りしやすい設計
全高1,910mmの高いボディは積載力の源ですが、乗り降りの際に地上からの高さが気になります。タウンボックスはこの点への対応としてオートステップ(ドアを開けると自動で踏み台が飛び出す乗降補助装置)を装備しており、子どもの後席への乗り込みや大きな荷物を持った状態での乗降を補助します。
電動スライドドアも全グレードに設定されており、Gグレードは助手席側電動・Gスペシャルは両側電動スライドドアが標準装備されています。広い開口部のスライドドアは、チャイルドシートへの乗せ降ろし・大きな荷物の積み下ろしを楽にします。ワンタッチで電動開閉できる便利さは、荷物の多いアウトドア帰りや雨の日の乗降で特に実感できます。
④e-Assist全車標準・後退時ブレーキサポート・後方誤発進抑制・リヤパーキングセンサー、安全装備が全グレードで揃う
全グレードに三菱e-Assistが標準装備されており、衝突被害軽減ブレーキ(前方)・後退時ブレーキサポート(後方障害物への衝突を回避するブレーキ制御)・後方誤発進抑制機能(後退中の急発進を防止するエンジン出力抑制)・車線逸脱警報機能が含まれます。また全グレードにリヤパーキングセンサー(4つの超音波センサー)が標準装備されており、後退時の障害物との接近をメーター内表示とブザーで知らせます。
高い車体による死角が多くなりがちなタウンボックスにとって、後退時の安全装備が全グレード標準で揃っている点は日常の駐車シーンで特に重要です。
⑤助手席シートバックテーブル・多彩なシートアレンジ・USB電源2個、家族とアウトドアを楽しむための実用装備が充実
2024年の改良で全グレード標準装備となった助手席シートバックテーブルは、後席から助手席の背面を折り畳みテーブルとして使用できる機能で、飲み物を置いたり子どもがゲームをしたりと車内での快適性を高めます。運転席シートバックポケットも装備されており、後席乗員が文庫本・タブレットなどを収納しやすい設計です。
シートアレンジは多彩で、後席を前方に折り畳んで大きな荷室を作ったり、助手席を前方に畳んで長尺物を積んだりと、荷物の種類・量・サイズに応じた柔軟な積載が可能です。USB電源ソケット(2個)が全グレードに標準装備されており、車内でのスマートフォン・タブレット充電も対応しています。
グレードをどう選ぶ?
タウンボックスはシンプルなG・Gスペシャルの2グレード構成です。
G グレードはe-Assist・オートステップ・助手席側電動スライドドア・ターボエンジン・LEDヘッドライトが標準装備のエントリーグレードです。タウンボックスの基本的な広い室内空間とターボの走りを手頃な価格で体験したいご家庭向けです。
Gスペシャルグレードは両側電動スライドドア・スマートキー&プッシュスタート・シートヒーター(運転席)・14インチアルミホイール・助手席シートベルトリマインダーなど快適装備が充実した上位グレードです。毎日の乗降で両側電動スライドドアの便利さを活かしたいご家庭向けです。
チャイルドシートとの相性は?
タウンボックスの後席にはi-Size・ISOFIX対応チャイルドシート取付金具が装備されており、ISOFIX対応チャイルドシートの正しい固定が可能です。
スライドドアによる広い後席開口部と、オートステップによる乗降補助の組み合わせにより、チャイルドシートへの乗せ降ろしはしやすい設計です。室内高1,420mmのゆとりある天井高により、チャイルドシート設置後も頭上空間に余裕があります。ただし全高1,910mmの高いボディは地上からの乗降ステップが多くなるため、小さなお子さんが自分で乗り降りする際はサポートが必要な場面があります。オートステップがその補助として機能します。
なお全高1,910mmは立体駐車場の全高制限(多くは1,550mm)を大幅に超えるため、日常使いの駐車場が平面であることを事前にご確認ください。
気になるデメリットは?
タウンボックスをファミリーカーとして正直にお伝えする点があります。
全高1,910mmは立体駐車場にほぼ入りません。スーパー・病院・マンションの機械式立体駐車場(制限1,550mm)はもちろん、多くの商業施設の自走式駐車場でも高さ制限に引っかかる場合があります。日常の行動範囲内の主要な駐車場で使用できるかを事前に必ず確認することをおすすめします。
商用バンをベースとしているため、乗り心地はSUV・ミニバン系に比べて硬めです。後席は特にサスペンションが硬く感じられる場合があり、長距離の高速道路走行では乗り心地の面で疲れを感じやすいことがあります。試乗で実際の乗り心地をご確認ください。
また全長3,395mm×全幅1,475mmの軽自動車規格ながら全高1,910mmという高さのため、横風の影響を受けやすく高速走行での安定感に注意が必要です。
さらにスズキ エブリイワゴンと基本的に同じ車であり、三菱独自の安全技術(アイサイト相当のステレオカメラベースの高度安全システム等)は搭載されていません。安全性能はe-Assistによる基本的な予防安全機能の範囲内となります。
スズキ エブリイワゴンとの違いは?ファミリー目線で比較
タウンボックスの姉妹車であるスズキ「エブリイワゴン」との違いを整理します。基本的なプラットフォーム・エンジン・ボディサイズはほぼ共通ですが、ブランド・デザイン・一部装備・グレード名称が異なります。
タウンボックスを選ぶ理由は、三菱販売店でのアフターサービスを受けたい・三菱ブランドで統一したい・三菱のデザインや装備設定が好みといった場合です。エブリイワゴンを選ぶ理由は、スズキ販売店でのサービスを希望・エブリイワゴン独自のグレード・カラー展開が好みといった場合です。基本性能は実質同等のため、どちらのディーラーでより充実したサポートを受けられるかで選ぶのが現実的です。
こんなご家庭におすすめ!
- 大型ベビーカー・スポーツ用品・キャンプ道具・自転車など大きな荷物を軽自動車で積みたいご家庭。
- アウトドア・キャンプ・登山・車中泊など、「車を動く基地」として使いたいアクティブなファミリー。
- 室内長2,240mm・室内高1,420mmの圧倒的な広さで、軽自動車の枠を超えた室内空間を求めるご家庭。
- 雪道・ぬかるみでも走れる電子制御4WDと全車ターボの力強い走りを求めるご家庭。
- 三菱販売店でのサービスを受けながら、広くて頑丈な軽ワゴンに乗りたいご家庭。
ファミリーカーとしての総評
※表は横にスクロールできます ↔️
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 室内の広さ・使い勝手 | ★★★★☆ | 室内長2,240mm・室内高1,420mmのクラストップ室内空間。荷室の広さと多彩なシートアレンジは軽自動車随一。 |
| 安全性能 | ★★★☆☆ | e-Assist全車標準で後退時ブレーキサポート・後方誤発進抑制・リヤパーキングセンサーが揃う。高度安全システムはeKクロス系と比べ限定的。 |
| 乗り降りのしやすさ | ★★★★☆ | スライドドア(G:助手席側電動・Gスペシャル:両側電動)×オートステップの組み合わせで、高いボディでも乗り降りしやすい設計。 |
| 運転のしやすさ | ★★★☆☆ | 全車ターボで力強い走り。ただし全高1,910mmは横風の影響を受けやすく、立体駐車場制限も要注意。取り回しは慣れが必要。 |
| 維持費・コスパ | ★★★★☆ | 約192万円〜と手頃な価格帯でターボ全車標準・クラストップの室内空間を確保。軽自動車税で維持費も抑えやすい。 |
総合評価
★★★★★
4.0 / 5.0点
三菱 タウンボックスは、「室内長2,240mm・室内高1,420mmの軽自動車随一の室内空間」「全車ターボエンジン×電子制御4WD×ぬかるみ脱出アシストの走破性」「スライドドア×オートステップの使いやすい乗降設計」という他の軽自動車には真似できない独自の強みを持つ一台です。全高1,910mmのため立体駐車場には入れず、商用バンベースのため乗り心地は軽乗用SUVより硬めという明確な制約はあります。しかし「とにかく広い軽自動車が欲しい」「アウトドアに使いたい」「大きな荷物を積みたい」という具体的なニーズを持つご家庭には、ライバルの少ない有力な選択肢です。
*掲載価格・スペックは2026年3月時点の情報です。詳細は三菱公式サイトまたは販売店でご確認ください。

