2列目はキャプテンシートかベンチシートか|定員・ウォークスルー・チャイルドシートで決まる

当ページのリンクには広告が含まれています。
ヴォクシー 内装

3列シートのミニバンを見に行くと、必ず聞かれます。「2列目はキャプテンシートとベンチシート、どちらにしますか」と。

これは内装の好みの話ではありません。2列目の形が、その車の乗車定員を決めています。キャプテンシートを選べば7人乗り、ベンチシートを選べば8人乗り。あとから変更はできません。

そしてチャイルドシートを載せる家庭にとっては、もうひとつ別の意味を持ちます。メーカー公式の主要装備一覧をもとに、何がどう変わるのかを整理します。

3列シートの車を、駐車場の条件と一緒に絞り込めます

全高・全幅・乗車人数・ボディタイプを選ぶだけで、メーカー公式の諸元で確認した125車種のなかから候補が出ます。登録も入力も不要です。

ファミリーカー診断で条件から絞り込む

目次

2列目の形が、定員を決めている

3列シート車の定員は、単純な足し算です。1列目が2名、3列目が3名。ここは動きません。変わるのは2列目だけです。

2列目が独立した2つの席なら、2+2+3で7名。2列目が3人掛けなら、2+3+3で8名。それだけの話です。

この独立2座をキャプテンシート、3人掛けをベンチシートと呼びます。メーカーによって呼び方は違い、トヨタは「6:4分割チップアップシート」、ホンダは「6:4分割ベンチシート」と書きます。6:4というのは、背もたれが6対4の比率で分割して倒せるという意味です。

つまりカタログで「7人乗り」「8人乗り」と書いてあるのは、2列目のシートの形を言い換えたものだと考えてください。

主要ミニバンの2列目シート一覧

トヨタ・ホンダ・日産が公開している主要装備一覧・主要諸元表から、2列目のシートに関する記載を抜き出したものです。

車種 2列目のシート 乗車定員
トヨタ ノア/ヴォクシー(7人乗り) キャプテンシート(ストレート超ロングスライド+リクライニング+両側アームレスト付) 7名
トヨタ ノア/ヴォクシー(8人乗り) 6:4分割チップアップシート(超ロングスライド+リクライニング+格納式センターボックス付) 8名
トヨタ アルファード(7人乗り) リラックスキャプテンシート(マニュアルオットマン・回転式アームレスト付) 7名
トヨタ アルファード(8人乗り) 6:4分割チップアップシート(回転式アームレスト付) 8名
トヨタ アルファード(6人乗り・上級) エグゼクティブパワーシート(回転格納式テーブル・リフレッシュシート付) 6名
ホンダ ステップワゴン 2列目キャプテンシート(両側アームレスト付)/6:4分割ベンチシート(センターアームレスト付) 7名/8名
ホンダ フリード 2列目キャプテンシート(両側アームレスト付)/6:4分割ベンチシート/6:4分割可倒式シート 5名/6名/7名
日産 セレナ(8人乗り) 2列目が3人掛け。中央にスマートマルチセンターシート 8名
日産 セレナ(7人乗り) 2列目が2人掛け。e-4ORCEとe-POWER LUXIONはこちら 7名
トヨタ シエンタ(7人乗り) 6:4分割セカンドシート(ロングスライド+リクライニング+タンブル機構付) 7名
トヨタ シエンタ(5人乗り) 5:5分割の2列シート仕様 5名

同じ車種のなかで2つ以上の選択肢がある車がほとんどです。フリードにいたっては5名・6名・7名の3通りあります。

新車の納期が長いなら、登録済み未使用車という手もあります。

非公開の在庫を含めて、希望の条件で探してもらえます。

条件を伝えて探す無料/依頼後に電話連絡あり

キャプテンシートは、2列目が独立した2つの席になる

キャプテンシートは、左右それぞれが独立した1人用の席です。あいだに通路ができます。

装備表を見ると、この席には機能が集中しています。ノアとヴォクシーは「ストレート超ロングスライド+リクライニング+両側アームレスト付」。前後に大きく動かせて、背もたれが倒れて、肘掛けが左右両方に付きます。

アルファードはさらに手厚く、「リラックスキャプテンシート」にマニュアルオットマン(足を乗せる台)と回転式アームレスト、快適温熱シートが付きます。上級グレードの「エグゼクティブパワーシート」になると回転格納式テーブルまで付いて、定員は6名になります。

利点は1人分の空間が広いことと、左右が離れていることです。きょうだいが並んで座ると必ずぶつかる、という家庭では、この物理的な距離が効きます。

ベンチシートは、2列目が3人掛けになる

ベンチシートは横一列につながった座面で、3人が座れます。トヨタの装備表では「6:4分割チップアップシート」、ホンダでは「6:4分割ベンチシート(センターアームレスト付)」と書かれています。

センターアームレストというのは、中央席の背もたれを前に倒して肘掛けとして使う仕組みです。3人で乗らないときは、中央を肘掛けにして左右2人がゆったり座れます。

日産セレナの8人乗りは「スマートマルチセンターシート」という独自の構造で、中央席を前にスライドさせて1列目のあいだに寄せることができます。小さい子を前席に近づけられる設計です。

利点は単純に1人多く乗れることです。祖父母を乗せる機会がある、子どもの友達を送ることがある——こうした「たまに人数が増える」場面で効きます。

ウォークスルーはキャプテンシートでしか成立しない

ここが実用上いちばん大きい差です。

ウォークスルーとは、2列目のあいだを通って3列目へ行ける構造のことです。キャプテンシートは左右が独立していて中央が空いているので、そこを歩いて通れます。

ベンチシートでは通れません。3列目に行くには、2列目のシートを前に倒すか、片側にスライドさせて隙間を作る必要があります。

これが子育てでどう効くか。雨の日にスライドドアを開けて、3列目の子を乗せる場面を想像してください。ウォークスルーなら、2列目のチャイルドシートを触らずに通り抜けられます。ベンチシートだと、2列目を動かす必要があります。そこにチャイルドシートが付いていたら、その操作は面倒です。

ただしキャプテンシートでも、シートを最大限まで前後させていると通路が狭くなります。装備表の「超ロングスライド」は便利な機能ですが、後ろに下げすぎると3列目への通路が塞がります。実車で確認する価値があります。

チャイルドシートを2台載せるなら、どちらでも同じ

チャイルドシートを2台載せる前提なら、キャプテンシートとベンチシートに差はありません。

理由はISOFIXの装備席にあります。装備表を調べたところ、ISOFIXの固定金具はどの車も2列目の左右2席にしかありませんでした。中央席にある車は1台もありません。

キャプテンシートは席が2つなので、そのまま2台。ベンチシートは3席ありますが、ISOFIXが使えるのは左右の2席だけです。結果として、固定できる数は同じ2台です。

差が出るのは取り付けやすさのほうです。キャプテンシートは席と席のあいだが空いているので、大人が横から手を入れやすくなります。ベンチシートは3席が密着しているぶん、2台並べると隙間がなくなります。

3台目を載せるなら、ベンチシートに分があります

子どもが3人いる場合は話が変わります。

ISOFIXが2席しかない以上、3台目はシートベルトで固定することになります。そのとき、ベンチシートなら2列目の中央席が使えます。キャプテンシートには中央席がないので、3台目は3列目に置くことになります。

3列目にチャイルドシートを置くと、乗せ降ろしのたびに2列目を動かすことになります。毎日それをやるのは現実的ではありません。

ただしベンチシートの中央席も、幅が狭いという問題があります。チャイルドシート2台を無理なく載せられる車で触れたとおり、後席の幅と製品の外寸の組み合わせ次第で、3台が物理的に並ばないことがあります。

子ども3人を前提にするなら、実車にチャイルドシートを3台持ち込んで試すのが唯一確実な方法です。販売店に頼めば試させてもらえます。

3人掛けが現実的かどうかは、室内幅で見当がつく

ベンチシートを選んだとして、本当に大人3人が並んで座れるのかという疑問が残ります。ここは室内幅がひとつの手がかりになります。

主要諸元表の室内幅を並べると、アルファードが1,660mm、オデッセイが1,560mm、セレナとステップワゴンが1,545mm、シエンタが1,530mm、ノア・ヴォクシーとフリードが1,470mmでした。

この数字は室内のもっとも広い部分の幅で、シートの座面幅そのものではありません。単純に3で割れば1人分になる、という数字でもありません。ドアの内張りやアームレストのぶんが引かれます。

それでも1,470mmと1,660mmでは190mmの差があります。3人で分ければ1人あたり60mm以上。肩が触れるかどうかが変わる幅です。

ただし注意点があります。室内寸法は各社が自社の基準で測った「社内測定値」で、共通の測定方法はありません。諸元表にもそう注記されています。数mm、数十mmの差を比べても意味はなく、100mm、200mmという大きな差だけを目安として使ってください。

実際のところ、3人掛けに大人3人を長時間乗せるのは、どの車でも窮屈です。大人2人+子ども1人、あるいは子ども3人という使い方が現実的な範囲になります。

セレナの中央席だけ、構造が違う

ベンチシートのなかで、日産セレナの8人乗りは他と作りが違います。

装備表に「スマートマルチセンターシート」と記載されている中央席は、前方にスライドさせて1列目のあいだまで寄せられます。後席の子どもを、運転席と助手席のすぐ後ろに移動できるということです。

この構造には2つの意味があります。ひとつは前席から手が届くこと。飲み物を渡す、落としたものを拾う、体調を確認する——こうした動作が信号待ちでできます。

もうひとつは中央席を前に出すと、2列目の左右が独立した2座になることです。つまり8人乗りのまま、実質的にキャプテンシートに近い使い方ができます。ウォークスルーも成立します。

ただし中央席を前に出した状態では、そこにチャイルドシートは載せられません。ISOFIXは左右の2席にしかなく、前に出した中央席は固定位置が変わるためです。あくまで「大人が手を伸ばせる位置に子どもを座らせる」ための機能だと考えてください。

なおセレナの定員で整理したとおり、この8人乗り仕様が選べるのは2WDとガソリン4WDだけです。

上位グレードほど定員が減るという逆転

もうひとつ知っておきたいのが、グレードが上がると定員が減るという現象です。

アルファードがその典型で、8人乗りは6:4分割チップアップシート、7人乗りはリラックスキャプテンシート、そして最上級のエグゼクティブパワーシートを選ぶと6人乗りになります。シートが豪華になるほど1脚あたりの幅を取るので、乗れる人数が減っていきます。

「上位グレードのほうが優れている」という感覚で選ぶと、人数が足りなくなることがあるということです。主要車種の乗車定員でも触れましたが、定員は車種ではなくグレードで決まります。

そもそも8人乗りを選べない車もある

2列目の形を選べるのは、選択肢が用意されている車種だけです。

セレナは、電動4WDのe-4ORCEとe-POWER LUXIONが全グレード7名です。この2つを選んだ時点で、2列目は2人掛けに決まります。8名が欲しければ2WDかガソリン4WDになります。

シエンタは7人乗りと5人乗りで、そもそも8人乗りがありません。5人乗りは2列シート仕様で、3列目そのものがない構成です。

フリードは5名・6名・7名の3通り。装備表には「2列目キャプテンシート」「6:4分割ベンチシート」「6:4分割可倒式シート」が別々の行で載っていて、組み合わせで定員が決まります。

スライドとタンブルは、別の機能です

装備表を読むときに、もうひとつ区別しておきたい機能があります。

スライドは前後に動かすこと。ノア・ヴォクシーのキャプテンシートは「ストレート超ロングスライド」と書かれていて、前後に大きく動かせます。3列目に人を乗せないときは2列目を後ろに下げて足元を広く、乗せるときは前に出して、と使い分けられます。

タンブルは座面ごと前に跳ね上げて畳むこと。シエンタの7人乗りは「タンブル機構付」と明記されていて、2列目を前に畳んで荷室を広げられます。

チップアップは座面を持ち上げること。トヨタの8人乗り仕様の名前に入っています。

この3つは目的が違います。スライドは日常の居住性、タンブルとチップアップは荷物を積むときの機能です。「たくさん動く」ことより、自分がどの場面で動かすのかで見てください。

どちらを選ぶかの判断基準

整理します。

キャプテンシートを選ぶべき場合。3列目を日常的に使う(ウォークスルーが効く)。2列目に乗るのが2人までで確定している。きょうだい喧嘩を物理的に離して防ぎたい。2列目の快適さを優先したい。

ベンチシートを選ぶべき場合。祖父母や友人を乗せる機会がある。子どもが3人いてチャイルドシートを3台載せたい。中央席を肘掛けとして使い、必要なときだけ3人掛けにしたい。

迷ったときの判断材料としては、「年に何回、8人目が乗るか」を数えてみてください。年に数回なら、その数回のために毎日のウォークスルーを捨てることになります。逆に月に何度もあるなら、8人乗りにする意味があります。

そしてこの選択は購入時にしかできません。後から2列目のシートを入れ替えることはできない構造です。シートレールの位置もシートベルトの取り付け位置も、7人乗りと8人乗りで別々に設計されています。ディーラーで交換してもらう、という選択肢はありません。

逆に言えば、ここだけは時間をかけて決める価値があります。ボディカラーやナビは後から悩んでも間に合いますが、2列目の形は見積書に印を付けた時点で確定します。

よくある質問

Q. キャプテンシートとベンチシートで、車両価格は変わりますか?
車種によります。同じグレード内で選べる場合は同額のことが多く、シートの種類でグレードが分かれている場合は価格差が出ます。見積書で確認してください。

Q. 8人乗りにしておけば、7人乗りとしても使えますか?
使えます。中央席を使わなければ実質2人掛けです。ただしウォークスルーにはなりません。中央にシートがあるので、通り抜けはできません。

Q. ISOFIXは中央席にもありますか?
ありません。装備表を確認した範囲で、中央席にISOFIXがある車は1台もありませんでした。詳しくはISOFIXは何席にあるかにまとめています。

Q. 3列目の乗り降りは、実際どれくらい違いますか?
実車で試すのがいちばん確実です。2列目にチャイルドシートを付けた状態で、3列目に乗り込んでみてください。展示車で試させてもらえます。

Q. 中古で買う場合、シートの種類は選べますか?
個体ごとに決まっているので、探すことになります。販売サイトの車両情報に「7人乗り」「8人乗り」と書かれているので、そこで判別できます。ただし写真だけでは2列目の形が分かりにくいことがあるので、現車で確認してください。

Q. キャプテンシートのあいだに、あとから何か置けますか?
市販のコンソールボックスなどはありますが、そこに物を置くとウォークスルーが使えなくなります。通路として使うのか収納として使うのか、どちらを優先するかを決めてから考えてください。

Q. 2列目を一番後ろまで下げると、3列目はどうなりますか?
足元が狭くなります。ノア・ヴォクシーの「超ロングスライド」のように大きく動く車ほど、この影響が出ます。3列目に人を乗せる日は、2列目を前に戻す運用になります。装備表のスライド量だけを見て「広い」と判断しないでください。

Q. ベンチシートの中央席は、大人が長時間座れますか?
おすすめしません。座面幅が左右席より狭く、背もたれの形も違います。加えてISOFIXがない席でもあります。短距離の移動や、体格の小さい子どもの席として考えるのが現実的です。

※本記事のシート仕様は、トヨタ・ホンダ・日産が公開している各車の主要装備一覧・主要諸元表の記載に基づいています。グレードや年次改良で変わることがあるため、契約前に必ず最新のカタログでご確認ください。

気になる車が絞れてきたら、実際の在庫を見てみると具体的になります。

非公開の在庫を含めて、希望の条件で探してもらえます。

条件を伝えて探す無料/依頼後に電話連絡あり
目次